E L E  B B S

[50] あれ?

「リマスタリング」

今回コリアンドルと森の掟をリマスタリングを経て再発する事になった。
「マスタリング」と言われても
「なんやそれ?」といった所が皆の正直な所ではないだろうか。
簡単に説明するとトラックダウンの終わったマスターテープに施す全体のコンプとEQを決める作業なのだが、これではますます訳が解らない説明になってしまう。
こう考えて欲しい。ある写真をもう一度印刷したいのだが、ただ増刷するのではなく撮影したフィルムは残っているのだから焼き付けからもう一度やろう!空の色はもう少し抜けた感じにして、そうそうまん中に写っているおっさんはもう少し陰影を付けて強く出そう。といった具合だ。再録音とは違う。
僕としては一度作った物とどう向き合うかという事で色々考えたが、結局はとても楽しんでしまった。
ある意味過去との対決だ。
だって皆にも聞きたいが10年前のあなたと今のあなたは同じ人間だと言い切れますか。細胞でさえ3ヶ月から十一ヶ月の間で全て入れ代わってしまうのだぞ。
だから当時の自分に阿呆かと思ったり、ほう~と感心したり新鮮な驚きの連続だった。もちろん何も変わらないな~と思う事もいっぱいあった。例えば「健康」という曲に至っては、「よくこんな物をメジャーがOKを」と涙し、「犬」を手掛ける頃には、「もっと派手にいったらんかい!われ!」と全体のEQを上げていた。
そんなこんなで個人的に少し物足りないと感じた部分を捕足してみたのだが、とても気に入った物となっている。当時には当時にしか出来ない事も沢山あるだろうが、今だから解る事もあるのだ。
既に持っている人には「コリアンドル」「森の掟」を大切にしてくれて有難うと言わせて下さい。
でも持っていない人は是非この機会に聞いてみて下さいと言いたいのです。これらは百物語の原点となった者達です。


p、s
15話「残像」のイメージもだいぶ固まってきた。行けそうだ!先行販売は終わったが一般販売はこれからだ。絶対見に来い、損はさせない!
                          上田現
  上田や! 02/8/14(We)15:57

[49] 残像

あれ?俺まだ十五話のテーマを発表してなかったけ?先程リマスタリングの所で書いたように、『残像』というテーマでやる!そこにかつてあった物、あったかも知れないもの、また、あるのだけど気付かれないもの、、、、。
単なるノスタルジーとは片付けられない誰かの強い想いの具現化。
とりとめもなく、そんなことを考えているのだ。
そーかまだ言ってなかったッヶ?
今度の場所は色々出来そうなのだ。もう今から、何かわくわくしているのだ。予想外の事もあるぜ!イエイ! 上田や! 02/8/13(Tu)22:14

[46] なめろう ~第3回~

おっさんによって次々と運ばれて来る肴、
注文の自由を奪われていた我々にはどれがどれで何が何だかさっぱり分らない。
しかし共通していたのは全ての食い物が素材の味を生かしまくっていてとてつもなく旨いという事だった。

聞けばおっちゃんは新潟出身で、
新潟の旨い酒を中心にそれにあう様々な食い物を提供する事に喜びを見い出しているらしい。

皆が笑顔のその中で只一人渋い顔をしている男、
a.k.a.上田現である。

奴はとり肉とダイコンと油揚の煮物のようなものを一口ツマミながらいう
現:「ふん、オススメが旨いのは当たり前じゃ...」

不敵な笑いを浮かべ、上田現のいう『除霊』とやらは始まった。

現:「あーおっちゃん!生そばとゴーヤチャンプルー追加...
   .....雪国の越後の人間に南国沖縄料理が出来るわけなかろう....
   .....調子に乗って蕎麦まで出すとは笑止!策に溺れおって...除霊じゃ除霊じゃ...」

ウーロンハイの件で出ばなを挫かれたテーラーがここぞとばかりに賛同する
テーラー:「....俺、この前沖縄で旨いチャンプルー喰ったばっかなんだよね...」

年長組二人は完全に暴走しはじめた。
こうなった彼等を止められるのはeleの書記である石川具幸しかいない。
願いを込めて視線を送る。

石川具幸書記は彼自身が注文したトウフヨウを目の前にただただ呆然としていた。
不審に思ったが、とりあえずその赤い豆腐を一口食べる...う、うまいっす!!

大:「これうまいねー!!」
思わず叫ぶ俺様に無言でクビをふる石川書記、良く見れば顔色が青い。
大:「え?.....あ!.....」

トウフヨウとは泡盛に付け込んで発酵させたと思われる豆腐(味はクリームチーズ風)料理だった。
....一滴の酒も呑めないどころか酒の匂いだけでも危険な状態になる石川具幸は、
その匂いで既に失神寸前だったのだ(合掌)


そして、問題の『なめろう』と『ゴーヤチャンプルー』は、やってきた。
上田現とテーラー寺田がほくそ笑む。

テーブルに異様な静寂が訪れた。

~~つづく~~

PS
更新なかなか出来ず申し訳ないです。
しかも3回ぐらいで終わらせようと思ってたのに...
なんとか次ぐらいでまとめますんで御容赦を。

あ、またライブします。
8/17です。
もっと詳しい『なめろう』を知りたい人は必見です(宣伝)

http://www.xplasma.com/wash/ だい 02/8/7(We)1:30

[45] 昼行

御無沙汰している。相変わらず、ドタバタしている上田だ。近況報告をしておきます。


7月8日

14話の夜行の打ち上げが終わったその足で寝ずに奄美大島に渡り、ちとせのライブを観た後、俺は一人島に残っていた。
島では泊まったホテルのオーナーの奥さんが離島にあるペンションの掃除に行くと言うので、強引に荷物運び要員に加えてもらっていたのだった。
小さなフェリーで渡ったカケロマ島は本当に海と自然以外何も無い贅沢な所で、俺は掃除をほとんど手伝わず、貰ったお弁当を片手にブレーキの壊れたペンションの車をあっちこっちと乗り回していた。携帯は先ほどからずっと圏外の表示のままだ。
途中デイゴの並木が続く海岸線を見つけそこで昼食をとることにしたのだが、大きなデイゴの木の下には決まって地元の老人が座っていてだまって海を見ている。何故か俺は話し掛けてはいけないような気がして人のいないデイゴを選んで座る事にした。途方にくれる程時間がゆっくり流れている。来る途中どこにも自動販売機が無かったのでかなり咽に詰まる食事となったが、あんなに旨い昼食を取ったのはいつ以来だろう。俺は周りにならって黙って弁当をぱくついていた。
食事が終わってデイゴ並木をぶらぶらしていたら、碑が建っている小さな家を見つけた。其の碑には山田洋次監督の言葉が彫られていた。渥美清はもうこの世にはいないのだけれど、最終話で彼が転がり込んだこの家に寅さんは今でもリリーとのんびり幸せに暮らしています、との事だった。
俺はその映画を観ていないのだが、さんざん放浪を重ねた寅さんが最後にここを自分の行き着く先と決めた理由を考えるのは野暮に感じた、それ程ただ美しくただ素敵な場所だったのだ。
実は俺は葛飾柴又の駅前に4年程住んだ事があるのだが、寅さんが引っ越していたとは知らなかった。そういえば大昔のTV版では最終回で寅さんは奄美でハブに噛まれて死んだと聞いた事があるのを思い出した。この番組も観ていなかったので真偽の程は判らないが。ここで幸せに暮らすと言う事はここで幸せに死ぬと言う事でもあるのだろうと、海岸線をあの人なつっこいホームベース顔が目的も無くブラブラしている所を夢想しながら帰路につくことにしたのだった。
なにせ船に乗り遅れたら大変だ、明後日はコリアンドルと森の掟のリマスタリング明々後日からはカナリアのプロデュースとスケジュールが埋まっていた。これ以上の行方知れずはまずいだろう。ペンションに戻り前日の客の忘れ物のすいかを食べ、少し泳いだ(何をしてるんだ俺は)。そしてここで真っ青になる情報を手に入れたのだった。
オーナーの奥さんが言った。
「上田さん、颱風が来るからガスボンベを倉庫にしまって、鍵を掛けてしまいましょう。」
思わず聞き直した。
「颱風?」
言われてみれば確かに風は強いが、見上げると真っ青な空が広がっている。
「そのお、、、颱風ってのは奄美に来るんですか?」
当然のように彼女は答えた。
「明日辺りから、大荒れになるわね」
質問は終わらない。
「船とかは?」
「そりゃ、出ないわよ」
「ひこう、、き、、は?」
「まず、飛ばないわね」
「仕事があるから明後日には、、、」
 「たぶん、無理よ。こんな時はゆっくりしてお行きなさいよ。」

「@@@@えういtyぐk!」声にならなかった。
                     続く

宣伝(コリアンドル、森の掟 8/21日リマスタリング再発!)

  上田や! 02/8/3(Sa)0:28

[44] なめろう ~第2回~

腹が減っていた。
とにかく腹が減っていた。
昼から続いたリハ終わり、老も若きも腹ぺこだった。

世間的にはもはや若者ではない俺様もeleでは苦手もとい若手だ。
『食い物の注文は若者の役目』の故事にならいこだわりのおっちゃんを呼びつける。
さっきテーラーがくらった一撃が頭をよぎる。
上田現の『除霊』発言も気になる。
迂闊な注文は死を招く、張り詰めた雰囲気だ。
が、日和ってはいけない。
びびったら負けだ、逃げちゃダメだ(古)心を決めて注文開始DA!(韻)

とりあえず壁にはってあるメニューから適当に頼んでみる。
大:「まぐろの中落ち1つ」
張り詰めた空気を撃ち破ろうとつとめて声を張ってみる。
お:「はいはい中落ちね(ぷ)」
『いきなり中落ちかい?この若造が』おっさんの顔にはあきらかにそう書いてあった。
奥村大完敗の瞬間である。

つづいて石川具幸が注文する。
石:「トーフヨウと...」
トーフヨウ?何ですかそれ?
ふと見るとおっちゃんの表情が緩みまくってる。
『にいさん、分かってるねぇ』おっさんの顔は渋谷の落書き並のペースで書き換わっている。
ちなみに石川具幸はアルコールの匂いを嗅ぐだけでも危険な状態になる下戸である。

石:「...の一夜干しと、あとなめろうと...」
ついに顔に書ききれなくなったおっさんは思わず歓喜の声を上げた。
お:「なかなか通だねぇ!今オススメはこの茄子と、とり肉とダイコンの煮たのと、...」

石川具幸に火をつけられたおっちゃんはスパークした。
もう誰も止められなかった。
我々は自分の意志でメニューを選べる状況ではなくなった。

見事に7:3につがれた生ビールとこだわりの焼酎とペットボトルのままのウーロン茶(石川具幸)で乾杯する。
おっちゃんの説明のせいで大分時間が経っていたせいかビールが旨い。


すぐさまおっちゃんオススメの茄子がやってきた。

注文の自由を奪われた我々は少し不機嫌だった。
大:「アレだけいうんだからそれなりだろうねぇ?」
ロックミュージシャンを見るお父さんのような色眼鏡でその茄子にとりかかる。

どうやら浅漬けのようだ。
一切れ口に入れる...................???
五人の頭上に?マークが浮かんでいる。
一久さんが皆を代弁するかのように呟く。

一久:「茄子.....溶けた.........よね?.......」
全員:「.................(こっくり)」

溶けた、確かに溶けた、一瞬の歯触りの後にハフゥっと溶けた。
この浅漬けのようなものはその歯触りといい絶妙な味わいといい、
平たく言えば『絶品』だった。

茄子を一切れ喰らい、沈黙を守っていた上田現が口を開いた。

現:「ふん、うまいやないかい。でもな、この前伊豆でめちゃめちゃ旨いナメロウ喰うたばかりなんや。それで勝負じゃい!ふぇっふぇっふぇっ除霊じゃ除霊じゃ」

物凄く嫌な予感(その2)

この時点で当初目的の一つであった『ライブに向けたミーティング』は全員の頭の中から消えた、
いや消し去られた。

これから繰り広げられるおっちゃんの舞台に全員が注視していた。
おっちゃんの、いわば『百物語 ~食通編~』の幕は上がった。

~~つづく~~
PS
俺様は江戸っ子なので関西弁はさっぱりわかりません。
上田現の発言は記憶をたよりに適当に調理していますが、
素材の味を生かした調理を心掛けてます。
安心してお召し上がり下さい。

奥村 大
http://www.xplasma.com/die/

だい 02/7/16(Tu)1:33

[43] 夜行

先日は満員御礼、本当に有難う。まず第15話のチケットに関して訂正とお詫びが有ります。
当日ドリンク代500円の表示がありませんでした。
チケット4500円ドリンク代500円となっています。お金の事ですので誠に申し訳なく、お詫びと訂正をさせて下さい。

さて、「夜行」が終わって一週間が経った。ライブは終わってみると何か幻の様な物だが、少なくとも今回自覚した事は自分は本当に「百物語」がやりたいんだと言う事だった(要は個人としてもプロとしても楽しかった、もちろん反省も尽きないのだが)。上手に説明出来ないが星の数ほどいるミュージシャンの中で自分がアイデンティティーを保てるのは、いつからか僕の所にやって来た『world』のお陰だと思っている。それをどうすれば具現化出来るかというのが、長らく僕のテーマとなっている。そのためには百物語は自分にとって不可欠な物だ。
「夜行」を終えて、百物語はまた新たな一歩踏み出す事が出来たと思っている。変わったライブばかりだが、次の十五話でも是非皆に逢いたい、応援をたのむ。

                                 上田現

p、s
   奥村よ早く「なめろう」の謎を書け!それから、キネマクラブ!そろそろ取りかかるぜ!!ふぇふぇふぇっふぇ、、、。 上田や! 02/7/14(Su)18:44

[42] なめろう ~第一回~

「それじゃーここにしよう!」

リハスタジオ周辺の店を新規開拓しようと思い立ったまでは良かったが、
リハ疲れの我々には既に決断力はなかった。
いつも元気なテーラーがその責任感とも無責任感ともとれる
ひときわ大きな声でその店を指差した。

ちなみに参加メンバーは
上田現、石川具幸、一ノ瀬久(一久さん)、テーラー寺田、そして俺様である。

最初にワンパンチくらったのはこの店を選んだテーラーだった。
メニューも確認せずに「僕ウーロンハイね」
その一言がおっちゃんに火を付けた。
「うちはね、こだわったお酒の店だからね、厳選したお酒や焼酎しか置いてなくてね、その素材そのままの味を楽しんでもらいたいわけでね、例えばこの***っていう焼酎は(以下5分続く)
要約するとウーロン茶と焼酎なら出せるがウーロンハイはやってない。
どうしてもウーロンハイ希望なら両方頼んで自分で割ってくれ、と。

普通に呑めて喰えてミーティングが出来れば良かった我々の中に不穏な空気が流れる。
ただ一人、上田現だけはとびきりの笑顔をふりまいている。
「うーん、あのおっちゃんと勝負したい。是非とも除霊したい(笑)」

物凄く嫌な予感。

料理の注文を前に、早くも上田現以外の我々は凍り付くのであった。  

~つづく~

PS
私事で恐縮ですが、告知です。
新しく wash? なるバンドはじめまして。
7/19ライブやります。
是非来て下さいな。

2002/07/19[fri]三軒茶屋ヘブンズドア<O.K MIX>
the fantastic designs / BO-PEEP / wash? /他
open18:30 start19:00 \1700

チケ予約HP↓
http://www.xplasma.com/wash/live.shtml だい 02/7/8(Mo)15:10

[41] 始まりの空

いよいよ明日だ。この2週間程は準備で本当にバタバタしたが、何とか間に合った。百物語再開だ!なんて楽しいんだろう!まだ前日なのに遠足を待つ子供と同じだ。
準備をぎりぎりまで行い、後は偶然が持つ力と世界に委ねる。会場でお会いしましょう。 上田や! 02/7/5(Fr)16:30

[40] 今日も雨

最近の書き込みを見ると、ライブに行きたくても行けない人からのものが目立つ、遠かったり忙しかったりお金が無かったりと理由は千差万別なのだが、やはりこう言った声を聞くと心が痛む。自分にもう少し力があればとも思ってしまう。
来れない人にご免とか、次回来いよと言った気休めは言いたく無い、ライブは毎度一回きりのものであり、それを知っているからのこその書き込みだからだ。逆にそこまで来たいと思ってくれてありがとよと言っておくぜ!

p.s ライブの準備は着々と進んでいます、来る人は愉しみにしててちょう!
  上田や! 02/6/30(Su)3:47

[38] ファイナルアンサー

もう19年前になるが、ランディー、バスという名のアメリカ人が日本にやって来た。バスはオクラホマで農場を営む農家の次男坊として生まれたが、のちに野球を志し大リーグを夢見た。しかし現実は厳しく長年日本で言う所の2軍3Aでくすぶっていた。そんな時タイガースに長距離砲としての可能性を買われて日本にやって来たのだった。
入団してタイガース球団が始めに行ったのは驚く事に彼の名前をバースに変える事だった。知られざる事実だが彼の名は本当はバスであって、決してバースではない。実力が未知数だったため「おんぼろバス」「ぽんこつバス」とマスコミやファンに揶揄されるのを心配した球団の親心だったらしい(泣)。この本質を何があっても見極めないタイガース球団の無能ゆえの姑息さに僕は40年以上なかされ続けているが、バスはこの意味不明の改名をなぜか受け入れた。ランディー、バースの誕生である。この三年後彼の活躍によりタイガースは21年ぶりの優勝遂げることになるのだが、その活躍に関してはここで今更語るまでも無い伝説になっているので割愛する。
さて当時優勝に慣れていないタイガースファンはその当日、優勝と言う現実をどう捉えてよいかわからず、街にくり出していた。そういう意味では丁度今回のw杯決勝トーナメント進出に喜んだサポーターにとても似ている。とにかく嬉しいのだがどう表現してよいのか判らない。だから同じ精神状態の人間が集まる場所を探してやって来てしまうのだ。突然の幸福は不安と狂喜をももたらす。祭りの出現だ。
街をさまよう彼等は道頓堀付近を騒ぎながら離合集散を重ねていたのだろう。そしてその集団はあることに気付いたのである。これは人類の本能的行動といってもいいかもしれない。祭りには神仏の象徴としての御神体が必要である。自然発生的にケンタッキーフライドチキンの前に人が集まり始めた。そこには御神体があった。誰かが叫んだのだ、『バース様だ!』哀れカーネルサンダースの受難の日々はその瞬間に始まった。ただバースにその姿が似ているというだけの理由で。
祭り、宗教でもよいが陶酔というものはのその絶頂に於いてなんらかの形で『死』とのコミュニケーションをはかる傾向にある。それは犠牲でも生け贄でもかまわない。死こそがその陶酔を確固たるものに押し上げるのだ。
その日カーネルサンダースは道頓堀川の底に沈んだ。祭りは最高潮に達して終わったのだった。

 さてそれから10数年の時が流れ、タイガースは優勝の女神から見放されて久しい。低迷期が続く中、ある噂がまことしやかに語られる様になった。「やはり祟りかもしれない、、。」ケンタッキーから遠く離れた川底に沈むカーネルが祟っているというのだ。
「カーネルを引き上げよう!」募金活動が行われ、多くの有志によりアクアラング隊が組まれた。
ところがいくら探してもどこにもカーネルがいないのだ。あれほどの図体が見つけられない。この事実を今でも僕はどう理解してよいか判らない。大平洋まで流れて行って、カーネルはケンタッキーを目指しているとでも言うのか。いやいまでもどこか川底に静かに横たわっているのか。
 どちらでも構わないのだが、サッカーファンよ何も知らずに御神体に手を出してはならない。W杯はこれからも四年ごとにやってくるのだから。




 サッカーW杯で、日本代表はチュニジアを降し、悲願の決勝トーナメント進出を果たした。大阪のスタジアム近くではあちこちでコールが沸き起こり、街全体がスタジアムなったよう。神戸・三宮では「ケンタッキーフライドチキン」店内に若者の集団がなだれ込み、カーネルサンダース人形を一時持ち出す騒ぎもあった。(6/14毎日新聞) 上田や! 02/6/18(Tu)0:56

[39] 道頓堀川って。

コエダメと同レベルの不潔さらしいね。
うぞぞぞぞぞぞぞぞぞ。

浮かれてるからトルコに足許すくわれたね。
奇抜な采配で日本を負けに導いたトルシエ監督には道頓堀川を下ってフランスへ帰ってもらいましょう。

奥村 『アンチトルシエ』 大 だい 02/6/21(Fr)9:42

[37] Xファイル

「NASAやカリフォルニア大などのグループは、かに座にある「55Cancri」という、大きさや年齢が太陽に似た星の周囲に新しい惑星を発見したと発表した。この惑星は木星の3・5~5倍の質量で、木星より約1年長い13年の周期で、Cancriの周囲を回っていた。」
このニュースはかなり僕の興味をひいた。というのも我々の子供の頃は「夜空には無数の太陽があって、その多くは太陽系のように惑星を従えたものでその中にはきっと地球のような星もあるでしょう。」という話をよく聞いたが、実際天文学の進歩に伴いそれが嘘だと分かってきていたからだ。
簡単に言うと太陽系のような惑星配列は他に無いと言う事だ。要は土星や木星ぐらいの質量を持った惑星がおとなしく地球ぐらいの小さな星を守るように太陽の周りをゆっくり廻るなんて事は奇跡に等しいのだ。大抵大きい質量の星はその重力から太陽と強烈に引き合い接近するか軌道を離れる、バランスがとれないのだ。そして地球ぐらいの質量ではどちらかに引き付けられ、もしそれを免れても今度は小惑星の飛来を避けられない。つまり生命の進化を待つ事無く、流星の雨あられということだ。(本来地球に飛来するはずの流星のほとんどが木星と土星のおかげで飛んでこない)他の太陽系を調べる程に結論はそう固まっていた、我々は孤独だったのだ。
つまり、このNASAの発表の真意は「55cancri」の軌道の内側に地球外生命体の存在の可能性を示唆している。以前NASAが木星の衛星エウロパに水の存在を認めた時も衝撃を世界に与えたがこの発見はその比では無い。しかも55cancriまではたった40光年だ、これは頑張れば到達可能の距離だ、日本がトルコ、スウェーデン、イングランド、ドイツをやぶって優勝して道頓堀川にトルシエを浮かべるよりたやすい。(ここでクイズ!道頓堀川に始めて飛び込んだのは、だれでしょう?ヒントはタイガースファンですが答えはタイガースファンではありません。答えは来週週明け)
ダア~話しを元に戻そう。もちろん今回の話は「55cancri」と太陽の間に地球型の惑星があればの話だが、物理学上のバランスから可能性が高い。森島の蹴ったボールが私だけには惑星にみえて来た。嘘。



上田や! 02/6/16(Su)9:52

[34] 早っ!

そーや!シーザーだ!そうか、そうだったか、、ラテン語だ、veni,vidi.viciや。指摘の通りだ、頭の中を何故かナポレオンの様な格好をしたおっさんが電器店の中を歩いているイメージが離れなかった。そうか、、CMに刷り込まれていたか。俺が見たのはもう何十年も前だろうに、、。ローマ軍の話や、短い言葉で伝令を飛ばしたと言う、、、。
 いや~まいった。あまりに簡単に解決したので拍子抜けだ。これは便利だ!、、、いや失礼、これで眠れます有難う。なんのこっちゃ、おこちゃはナイジェリア。
   上田や! 02/6/13(Th)2:57

[33] 私物化

どうしても思い出せなくて、何か落ち着かないことってありませんか?この三日程気になってしかたがないんだけど辞書にも無いし、人に聞いても「何、それ?」だし。と言う訳で誰か教えて下さい。(公式というより私式ホームページだなこれじゃ、、、、すまん、でも寝れない)

『来た、見た、買った』帰っただっけ、、これって元々何だったけ?ナポレオンが絡んでたような気がするんだけど、思い出せない。あ~何の話だっヶ。
因に答えても何ももらえません。あしからず、、。あしからず?あしからずの語源はなんだろう?嗚呼、、気になる。う~ん嗚呼ってなんでこんな漢字なんだろう?だめだこりゃ。
上田や! 02/6/13(Th)0:22

[32] 6/8 発売!

ひえ~、今度はbbsでもめている。と言う程でも無いが、、、、いたって話はシンプルだ。
私(飢えだ減)はファンに言われようがプロに言われようが面白いと思ったらやるし、そうでなければ誰が何と言おうがやらない。それだけだ。心配はいらないよと。
神社でのライブは前にも書いたように以前から計画されている物の一つで、それがみんなの希望とシンクロしたことに驚き反応したという自然な話なのだ。ただ今日までそれが実現していないのはプロレベルで考えた場合現実に神社にPA、照明装置等を持ち込むという物理的問題、騒音のの問題、警備、会場設営、予算と通常のライブでは起こらない全く違った問題が山積し、見送られて来たのだ。ただ変わった場所でやれたら良いというのであれば、何とでもなるのだがそれじゃいやなのだ。入間でのライブに対して自己採点が低いのもあれだけの状況を使いこなせなかったのでは無いかと言う自問自答に未だかられているからだ。
だから神社の件も安易に考えているわけでは無い、いける!と判断できる状況づくりに時間を掛けているのだ、皆の意見もなるほどと思ったら平気で取り入れる、応援よろしくです。

ところで!それよりも それよりも それよりも それよりも皆さんが忘れている事が有る。W杯?違う!7/6のライブだよ。 しくしく、、、、、、。
     一月前だ!もう発売日なんだよ~ん!是非観に来てくれ!新曲もやる!今はそれで頭が一杯よ~!
  

7月6日(土) 渋谷 ON AIR WEST
OPEN PM6:00 START PM7:00
4,200円(整理番号付/税込) *1ドリンク500円別
★チケットは6/8(土)AM10:00 下記3ヶ所にて一斉発売!
チケットぴあ 03-5237-9999
ローソンチケット 03-5537-9999
 渋谷 ON AIR WEST

お問い合せ ソーゴー東京 03-3405-9999 上田や! 02/6/6(Th)15:22

[30] 未来からのブッキング

bbsを見て、のけぞった。自分のライブの会場から日程まで勝手に決められている。嗚呼しかも予算の心配までされている、、、。取りあえず三月三日は空けた。当日俺は何時入りなのだろうか?まさか投げたボールをピッチャー返しで打ってくるとは、、、。でも気持ちが嬉しかった。前向きに考えてみる、ありがとう。
実は神社でライブをやれ!という発案は舞台監督の佐々木繁雄氏から言われて久しい。花園での上々颱風を手掛けたのも彼だ。もちろん14話「夜行」も佐々木氏に一肌も二肌も脱いでもらう事になっているので、楽しみにしていてくれ。百物語のほとんどは彼の演出によるものだが(一、二、三、四、五、六、七、八、十一話)実際彼がいなかったらと思うとぞっとする。ELEは演出等も含めての不定形集団なのだ。
まだ確約は出来ないが、皆の要望も頭に入れてやって行くのでこれからもよろしく。

p、s 俺は朝が早いのでは無く、夜が遅いのだ。南米大陸の人々とともに暮らしている。
                            上田現 上田や! 02/5/28(Tu)23:00

[31] わはははは

長年あたためて企んで来た神社ライブを先にファンからいわれるとは(笑)
こういう汲取られかたはなんとも嬉しいねえ現ちゃん? だい 02/5/30(Th)14:32

[29] TV

うむ、がせネタじゃ、俺は出演していない。 上田や! 02/5/27(Mo)10:34

[28] 5/26(日)23:00~ 

MBS/TBS系全国ネット「情熱大陸」に、ほんの少し出るかもしれません。
との事。

つまり出ないかもしれませんとの事でもありますね。 告知君 02/5/25(Sa)8:05

[27] 最終回です

pちゃんの日曜日「最終回」~お座敷小唄~

車は上水に沿って止まった。俺は段ボールを抱えて外にでた。この辺りまで来ると空気が都心とはかなり違う。バイクに乗っているとよく分かるのだが都心から西に向かうと何段階かに分かれて空気が変わって行く。最初は代々木公園を越える時、そして次がこの辺りだ。更に調布を越えると又変わる。空気が澄んで凛とするだけでなく、確実に気温が下がる。こういった境目は大阪にもあった、きっと各街にこういった空気のカーテンは存在するんだろう。僕はこのカーテンをこえる度に何か結界を抜けた様な気分になって、少し興奮する。街は生きもんやって実感するのだ。
やるべき事は始めから分かっていた。冊を乗り越え、川べりまで降りてpちゃんを流せば良い。後は自然がやってくれる。だが、こんな時間にも関わらずそこそこに人がいるのだ。散歩をしているのか、遊びの帰りか、行ったと思ったら次の人陰が見えてくる。別に悪い事をしている訳ではないのだが、この時間に冊を乗り越えて上水に入る金髪おやじを他者が不審がるのは容易に想像がつくし、自分としても死体を捨てる事に何処か罪悪感をおぼえているのかもしれない。あまり人には見られたくはなかった。結論としてトモを見張りに立てて僕一人で冊を越える事にした。トモは心配そうにむらさき橋の上に立っている。
僕は段ボールを何とか片手に持って冊を越えた。周りは深夜の住宅街、踏んだ草木の枝がけっこう大きな音を立てた。こりゃ目立つなあと思いながら雑木をバリバリかき分けて進んだ。水面がここからはまだ見えないのだ。雑木を抜けると急に勾配がきつくなり、ぼんやりと小川が見えた、水面がひかっている。
「降りれない、、」電灯は橋の上についているが川を照らしているわけではないので自分のいる辺りは明るいのだが、下の方が見えない。この暗さで下まで降りるのはヤバい。pちゃんではなく俺が流れて行ってしまったら、死んだとしても絶対に笑い話にしかならない。こう見えても自分のキャラは知っている。『げんちゃんてさ、鳩の死体を川に流そうとして自分がながれていったんだよ、かわいそう、ぷぷぷぷ』このぷぷぷを恐れた。
仕方が無いのでここから流そう。俺は落ちないように気を付けながらpちゃんを箱から出す事にした。そうさ、セカンドからファーストに投げるより全然近い、でも投げたpちゃんがもし木に引っ掛かってブラブラしたりしたらどうしよう、、いや慎重にやれば大丈夫だ、いつもキャラ通りの結末になるとはかぎらねえ。箱の中は良く見えないので手探りでpちゃんを探した。なにか固い棒の様な物が手に当った。なんだこりゃ?いやこれだよな?よくわからないままに俺はその棒を段ボールからひっぱり出した。哀れpちゃんは冷たい棒状の物体と化していた、生きていた時とそっくりなのに全然違う。死とはこういう事だ。やすらかな死はあってもやすらかな死体は存在しない、どんな素晴らしい人生を送ろうとも肉体には容赦ない終わりが待っている。それを人間だけが理解している。理解してもそれを越えることが出来ない所に、我々の不幸があり、祈りがありそれでも喜びがあり暮らしがある。歌も踊りも根源的には同じ所からやってきている。カラスから餌を奪った代わりにそんな事を再確認出来た。pちゃんにとってはどっちに転んでも最悪だが、俺にとってはこんな所だろう。pちゃんを右手に掴みトモの方を見た、投げ込む合図だ。思ったよりも橋は近く逆光の中トモのシルエットがはっきり見える。雑木を真直ぐに川の方に出たつもりだったが、明るい橋の方にいつの間にか寄っていたようだ。トモは身じろぎもせず、橋の上からこっちをみていた。俺はセンチになっている所を読まれたく無かったので、よせばいいのに少し脱線した。自分の悪い癖だ、時々照れ隠しに変な防御線を張ってしまう。
「死後硬直!」 pちゃんを指揮棒の様に振って叫んだ。この場合「よしなさい」とか「そうじゃなくて」といったつっこみによって僕は救われる事になっている。
僕はリアクションを待った。ところがいつもは直ぐにつっこんでくれるトモが全く何も言わない。それどころかぴくりともしない。そんなにpちゃんの死後硬直に驚いたのか?ただトモの眼鏡が逆光の中光っている。でもトモって眼鏡かけていたっけ?って言うか誰だこいつ!
橋の上にいるからトモだとばかり思っていた。良く見ると全然知らない人が僕と向き合ったまま固まっている。そりゃそうだ、ただでさえ夜中に冊を乗り越えている怪しい奴なのに、右手に鳩の死体を持って叫んでいるのだ。こちらからは逆光だが向こうからは橋の上の街灯ではっきり見えていたのだろう。可哀想に近所の住人は完全に固まっている。騒ぐなよ!警察呼ぶなよ!逃げるなよ!話せばわかる!心の中で色んな思いがぐるぐるしている。上田現はもう川を流れて行きたい気持ちになって呟いた「生まれてきてすみません。」
          
                              おしまい
 

      ~富士の高嶺に降る雪も、京都先斗町に降る雪も
        雪にかわりがないじゃ無し
             溶けて流れりゃ皆同じ ~ 上田や! 02/5/12(Su)7:41

[26] ワダツミの木

こんな事を言うと皆びっくりするかもしれないが、僕はいままで作品を発表する度にこれがヒットしない訳がないと思って出しているのだ。ただ長年やってきて実際は自分の確信と現実にだいぶ格差が有るということはうすうす感じてはいたものの、今でもその思いは揺らがない。夕焼けロックであろうがコリアンドルであろうが聞かなかった人がどこかおかしいのではないのかと毎回出す度に思う事にしているし、レピッシュのからくりやパヤパヤのヒットの時も当たり前やんけ!と叫んでいた。
音楽の善し悪しは言うまでも無く売り上げにまったく左右されない。でも作り手側にとって伝えたいと言う気持ちが有る以上、聞いてもらう努力をどうすべきかと考えている。。多くの人に聞いてもらえるのはやはり嬉しいのだ。ただ、同じ売り上げでもそれがどういう風に聞かれたのか、聞かれているのか、伝わったのか、消費されたのか、何となくなのか、カラオケ練習用かい!といった事まで考えはじめると話はややこしくなってくる。電気代で使った2000円と、愉しみにしていた映画のチケット2000円は全く別の物だからだ。とまあここまで書いておけばいいだろう。何を今更ぐだぐだと言っているのかというと。俺は本当にわだつみの木のヒットが嬉しかったのだ。
何が嬉しいかと言うと、一週間とはいえ、チャートが日本一になったことだった。僕は生まれて一度たりとも日本一に関わった事は無い。昔青森放送の企画でレピッシュ日本一を決めるクイズ番組(どんな番組や!)に出た時も日本一の栄冠を恭一と競って逃してしまった。日本一への道は厳しいのだ。
だからおもわず、おフランス入りしていたちとせのホテルまでおかっけの電話をいれてしまった。もちろんフランス語でだ。「ジュテーム!プリンアラモード!ジュ、スイ上田や!ちとせ!ちとせ!」
通じた、、、、、、。ホテルのフロントのおっさんがあっさり繋いでくれた。電話の向こうでちとせは言った。「どうしたの?」
「さっき連絡をもらったんやけど、チャートが一位らしいぞ!知ってたか?」
「うん。」
トルシエ並みの気のない返事が帰って来た。もうフランスにかぶれている。
俺は独り盛り上がってしゃべっていたが、少し恥ずかしくなってしまった。ちとせは純粋に歌を歌っているだけなのだ。じゃんじゃん。
最初に述べた通り、自分は自分の音楽を信じている。だから他人の評価を気にしないでやってこれたのだが、それでも暗闇にボールを投げ続けている気分に陥る事も有る。そんなボールを数は多く無いが、ファンが確かに受け取ってくれたと感じる時があるから投げれるのだ。無人島で僕は音楽をやらない。とにかく素直に告白する、『犬は褒められると喜ぶが、僕だって褒められると嬉し~』かったのだ。因に演奏はELEだ、知っていたか? 上田や! 02/5/12(Su)7:37

[25] まだ早い!

スポーツ新聞の三面に赤塚不二夫危篤と出ていた。バカボンのパパを尊敬する上田としてはくる時が来たのだろうかと感じている。
実は一度だけ赤塚先生にお会いしたことがある。漫画家の若林健次に誘われて小学館のパーティーに行った時のことだ。お会いしたと言っても会場で小学館の方に「こちらレピッシュの上田さんです」と紹介してもらい、唯「どうも」と言ってもらっただけの事なのだが、本当に嬉しかった。
彼は闘病生活が長い事もあるだろうが、公の場に出てくる事は非常に珍しいとの事だった。期する所もあったのかも知れない。周りからこわれるままに壇上に上がろうとしたがもう既に一人の力で一段登ることが出来ない程衰弱しておられた。マイクの前に立った彼に対して場内から強烈な拍手が沸き上がった、そして直ぐに今度は水を打った様な静寂が訪れた。皆赤塚不二夫が何を語るのかと固唾を飲んだのだ。僕もドキドキしながら彼の言葉を待った。周りをゆっくり見渡してから、静かにぽつりと語ってくれた。
「赤塚です。まだ生きてます。」
たったこれだけのスピーチだったが、どっと会場が沸いた。僕もありったけの拍手を送った。ジョンライドンはロックは死んだ!と言ったが、ロックは極東の小島の漫画家の中に確実に生きていた。 上田や! 02/5/2(Th)8:49

[23] メールマガジン購読申し込み多数、ありがとう!でも未定期よ。


pちゃんの日曜日 
         (五)  「太宰はん紫橋編」

 
昭和23年6月13日太宰治は恋人の富江と覚悟の心中を武蔵野の玉川上水で遂げている。吉祥寺の方から南に10分程歩くと、水量こそ減ったが今でも武蔵野の雰囲気を残して流れている上水に突き当たる。更に川沿いを上流へ五分程歩くと紫橋が姿を表す。別に取り立てて特筆することは何も無い橋なのだが、ここは太宰が入水した場所として名を馳せているのだ。僕はこの付近に九年住んだ事があって、太宰ファンでもないのによくここを訪れた。やはり事件のせいで見事に死の風景なのだ。太宰は生前この場所にしゃがんだ何ともやるせない写真を残しているが、自分が選んだ死に場所で記念写真を取る男に僕はなぜかユーモラスな感覚さえ感じていた。自虐もあるレベルを超えるとpopになる。
 余談になるが去年たしか函館のライブに来たお客さんだったと思うが、実家が太宰と同じ金木町だというので少し太宰の話をした。さぞかし地元の英雄になっているだろうと思って尋ねたら、あの家は先祖代々の庄屋で回りの住民はどれだけ太宰家に泣かされてきた事かと話してくれたのが印象的だった。本来御先祖様がやった事を子孫が責任を取る道理はどこにもない、そんなことを言っていたら溯って全ての人類は人殺しの末裔になってしまう、我々は歴史から少しでも多く学べばよいわけで全てを背負うという姿勢は一見立派に見えるが度を越すと唯の思い上がりだ。太宰にはそう言った不安を昔から感じていた、でも感じながら気になる人なのだ、無視する事が出来ない。なにせ彼は富士山を風呂屋のペンキ絵とののしりながら富士山の事を年中考えてるような奴だった、一筋縄ではいかない。話が更に逸れるが、多くの人が終戦の8月15日の事を書いている中で、「恥ずかしい」と表現したのは僕が知る限り彼だけだ。ここで述べられた恥ずかしいと言う発言は、非常に彼の細かい複雑な心の陰影を表していてとても面白い表現に思う。普通自分が信じていた価値観が崩れた時に出る言葉は喜怒哀楽の中から出てくるか、冷静な客観的分析かのどちらかなのだが、、。本当に微妙な人なのだろう彼は、、。

「太宰はん、、、、。」石川具幸はそこからpちゃんを流せと言ったのだった。確かに死者を流すのにこれ程自然な場所は東京に無い(本当か?)。俺は段ボールを抱えて中華料理屋を出た。何故か生きている時は触ることもためらわれたのに、死んでからはpちゃんを平気で持ち歩いている。皆は段ボールの中を見ようとさえしないが自分は死体の方が正直楽だった。理由は簡単だ、死体を自分のミスで殺すことはもうあり得ないからだ。
武蔵野方面に住んでいるのはトモだけなので、俺は彼の車に便乗して葬儀に出かけることにした、自分で言い出したものの死体の入った段ボールを抱えて俺が助手席に乗り込んだ瞬間彼の顔が少し曇ったが気付かない振りをしてどっかと腰を掛けた。
「出発じゃ!」「、、、、、、、、、、、、。」
トモは何も語らず車を出した。もう日付けも変わろうかという時間になっていたので、道は空いていた。武蔵野は都心から10数キロ離れた所に位置するが30分もかからなかった、途中誰でも知っているあの「象の花子」がいる動物園の横を通り「はなこ~」と涙ながらに車窓から叫んだ後、誰でも知っている「長崎平和記念像」のかたわれ(実は平和記念像は二体あるのだ)の横を走り今度は箱乗りをしながら「イマジン~!」と叫んでいるうちに目的地に着いた。今度はランニングシャツに着替えて「着いた~!」と叫びたかったが不謹慎なのでやめた。深夜の玉川上水は真っ黒なくちを開けて我々を待っていた。

次号今度こそ最終回  ~溶けて流れりゃ、皆同じ~(仮)に続く! 上田でちゅ~ 02/5/2(Th)8:04

[22] 告知!

取りあえず!発表する!

7月6日東京
百物語14話『夜行』

詳細は追って知らせる
ふぇふぇふぇふぇえふぇっふぇふぇふぇ 上田です~ 02/4/16(Tu)0:13

[21] 再開

pちゃんの日曜日

4 急変

事態は急変していた。セッティングの間時々段ボールの中を覗いて気をつけてはいたのだが、pちゃんがどうみても元気が無いのだ。ほとんど動かない。俺は動揺してpちゃん、pちゃんと語りかけたがじっとしている。頭をなでてやると薄目を開けて反応はするが、本能的にpちゃんに今何が起きようとしているのか理解出来た。助けてやれんかった、すまん。そう思ったと同時になぜてる俺の手の中で呆気無くカクンと逝ってしまった。生命は消えて温もりだけが残った。「死んじゃったよ」俺は他に言葉が見つからず、そう皆に告げた。皆一様に悲しい表情を浮かべたがどこか覚悟していたようにも見受けられた。「仕様がないですよ。」「可哀想なことをしたな。」「あ~あ」、、、「取りあえず、廊下に出しません?」「其の前に1万円返せ」各自それぞれの御悔やみを述べた後リハーサルが始まった。レクイエムとして選ばれたのは『バーディ』空しく奥村の裏返った声が響いた。

子供の頃、小動物の死は大事件だった。金魚のリュウちゃん(リュウ金と呼ばれる種だった)文鳥のぶんちゃん、セキセイいんこのキューちゃん、老犬のアカ(赤い犬だった)、黒猫のラック、どの死も鮮明に覚えている(全部死なせている、、)。死が身近かにあった。自分もいつかこうなるのだと学ばざる得なかった。キューちゃんの時は僕のあまりの落ち込みに母は同じ色のセキセイいんこを買って来てくれたが、この事は逆にもう取り返しがつかないのだということを充分に理解させてくれた。一見同じ模様のいんこも、各自個性があり全ての面で違うのだ。ファイナルファンタジーの・ででてくるアンドロイドもブレードランナーにでてくるアンドロイドもそのことで悩んでいた、代わりはないのだ。数えきれない程いるドバトの中のたった一羽の死。

リハーサルは無事終えたが、大きな問題が残った。其の問題はトモの一言に集約されていた。「で、どうするんですか?」
そうなのだ。物理上は生命を持たない生物はただの有機体だ、燃えるなまゴミと同じだ。だから街にマクドナルドのバーガーが落ちていても、不快に感じる人はいても事件にはならない。ところが死体となると強烈に事態は変わってくる。人間なら死体どころか指一本駅前に置いてくるだけで初台駅前商店街は大騒ぎになるだろう。日本の都市は徹底的に死が排除されたところなのだ。死だけでは無い、フリークス、浮浪者、反体制主義者、、、何であろうと世界は不変ではないぞ!と言った記号を持つものは基本的に排除の対象になっている。ここは死も生活の一部であると感じている平安時代でもインドでもない。巨人軍は永久に不潔、いや不滅であると宣った男が神と崇められている世界なのだ。
「取りあえず、食事に出かけるぞ!」困った時は逃避するにかぎるという信念を持つ俺は段ボールを持って
外に出た。「店に持って行くんですか?」「誰の車にのせるのかな?」「俺の車は勘弁ス!」
数時間前までpちゃんの生死に一喜一憂した戦友は「転向者」としての戦後を模索し始めている。俺は無理矢理奥村の車に乗り込みいつからかリハーサル後の恒例となっている中華料理屋へと向かった。あそこは安くて本当にうまいのだ。
中華料理屋では当然戦後処理の議論で埋め尽くされた。何も知らない店員が「タンボールコチオクネ」と叫んだが誰も反応しなかった。それ所では無いのだ。
「やっぱり何処かに埋めるべきでしょう」「どこに?」「、、、、、」「たとえ公園でもこんな時間に穴掘ると騒ぎになりますよ」「保健所は?」「もうやって無いよ、明日ならたぶん引き取るだろうけど」「晴海埠頭!」「ロマンチストだな、でもそれはありかも!」「「僕的にしっくりこないな、、」「じゃあどうするんだよ」「上田さんがどうにかするべきだよ」「この店に置いて行こう!」
ひとつも話しがまとまらないでいた所に石川具幸が空を見上げながら呟いた。
『太宰はん、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。』
俺はトモの手を握り「それや!」と頷いた。


次号pちゃんの日曜日(最終回)「太宰はん紫橋編」に続く、謎の『太宰はん』とは!

上田現や 02/4/14(Su)4:14

[20] 海老は虫だ!

四月の頭も過ぎた、次の百物語について発表するだけや!と思っていたのだが、、、まだ確定していない。もう数日待ってくれ、すまん。なかなかタイガースのような開幕を迎えることは出来ないでいる。
野球で思い出したが、俺はドンドン(草野球チーム)の監督を辞任したのだが、昨日新監督のまぐみから連絡があり開幕戦はおまえはベンチスタートだよ~んといきなり永久名誉監督の座を狙う上田派の一掃をもくろんで来た、上田は一昨年首位打者のプライドにかけて、ネバーネバーネバーサレンダーと叫んだがジャイアンツファンのまぐみは上田君!君のよぼよぼの勇姿、忘れません!と引退セレモニーで返してきた。(野球ファンにしかわからんネタでご免)
そんなこんなで、とろとろやってる、自分も認める開幕クソジジイだが、なぜか最近ワイドショーが先生一言お願いしますとやってくる。逆手にとって、えっへんわしが先生じゃ、とやるぐらい大物ぶる勇気も無く,TVに写る自分があまりにもみすぼらしいので美容院にいって髪を銀色に染めた俺はバカかも知れない、、。22日TBSのおはようグッデイに少し出る。ふぇふぇふぇふぇふぇ。
                         
                             代打クソジジイ 上田現や 02/4/11(Th)16:27

[19] ...コッソリと...

<上田現を見た 第1回>

先日、カツ丼を注文したのに天丼が届けられて凹みまくっているエビアレルギーの上田さんを見ました。

たぬきうどんと交換してもらってました。
少し寂しそうでした。


投稿者  奥村 大


PS
個人HPはじめましたです↓
http://www.xplasma.com/die/ だい 02/4/5(Fr)0:40

[18] 近況

御無沙汰している。この十日程の間、驚き、叱咤激励の連絡が相次ぎ、俺としても何となく落ち着かない日々だったが元気だ。今は新たに曲を書いたりしながら次ぎの構想を作る時だと思っているので仕事ばかりしている。大好きな桜を酒を片手にゆっくり見る暇がなかったのが悔やまれるが、、、。(毎年、色が微妙に違うと感じるのは天候のせいか気のせいか?)こうやって、とりとめもなく、曲を作っていると自分が世捨て人になったような気がして、何か楽しい。現代社会に於いて法律上は仙人というものは存在できないーたとえば共産主義国には理論上、娼婦も乞食も存在しないので統計上にも表れてこないー現実には電気代もガス代もちゃんと払って暮らしているのだが、社会と個人が繋がっているという虚実は結局、、、
すぐに横道にそれてしまう、話を戻そう。まあ元気に決まっとると言いたかったのだ。
失った事で傷つくのは当たり前だ、俺だって年中そうだ。だがこんな風にいつも考えている、これは僕が曲を書く時の大きなテーマの一つでねたばらしになってしまうのだが、、失ったからこそ見えて来た事、この事をとても大切にしているのだ。俺が前に進むといっているのは過去を否定したいと考えているからでは無い、過去があるから明日が考えられるのだ。『ファール』で伝えたかったことは俺がだめな野球少年であったことではない、そんな僕や皆にやってくる明日の話なのだ。おきらくに’明日がある~’と歌えない人の明日についてなのだ。明日、プロ野球は開幕だが俺も開幕する。

ps
四月のあたまに次の百物語について話が出来るかと思う、興味のある人は愉しみにしててちょうよ。
                                上田現 上田現や 02/3/29(Fr)20:14

[17] 皆への報告

上田現です、いきなり驚かせますが、私、上田現はレピッシュを脱退しました。
23日に関しては、レピッシュ三人でやるとの報告を受けこういう形での発表と成りました、申し訳ない。
レピッシュを思う気持ちとだんだん大きくなるソロワークへの気持ちのバランスがここに来てとれなくなってしまったのだ。ライフワークである百物語が先に進まない状態を打破したく脱退を決心しました。
メンバー、ファンの気持ちを考えると本当に我が儘な男だが、音楽に関しては、やりたい事をただやろうという気持ちに沿って活動したい。これだけ長くやってきても、まだまだ、あれもこれもそれもどれもやってみたい、見てみたい、触れてみたいといった溢れ出るイメージは涸れるどころか強まるばかりだ。どれだけ自分がレピッシュに守られてきたかを当然理解しているが、ホームを出て頑張ろうと決めた。
この事により事務所も離れる事にしたがとにかく先に進む。ファンの皆にはいつも事後報告になってしまうので、心からスマンと言うしかないのが心残りや!ほんと、ごめんなさいや。この先の事はまだ何も決まって無いが、勝手な事をいうとこんな現状でも当然不安を感じながらもワクワクしてしまう自分がいる。
本当はここでもっときちんと、そしてロックミュージシャンらしく発表出来たらと思うのだが、嗚呼、俺は20年近くもレピッシュをやってきたので、とてもホームページの1ページで全てを語る事なんか出来ない。しかし現実、もうレピッシュの上田現ではないのだ。
 皆に伝えなければならない事、、、色々と考えたが、格好悪いかもしれないが、ありがとうと言う言葉しか出てこなかった。

                           上田現
   上田現 02/3/19(Tu)1:00

[15] 3.3

また一つ年を重ねた。ついに天才バカボンのパパと同い年だ、あのテンション、あのパワー、あのパンクスピリッツと同い年なのだ。すべてはit's all right!でやり抜くあの崇高なる魂と、、。マカロニほうれん荘のとしちゃん25歳を越えちゃたよ!と騒いだのが昨日の事のように感じていたのに。いやいや愚痴をこぼしているのではないぜ、自分がこれからどうすべきかをわくわくしながら考えているのだ。遠くにエベレストを望みながら思ったのは自分がまだ何も知らないと言う事だった。逆にいえばやることはいくらでもあるのだ。バカボンのパパは旅をしない、いつも同じ場所にいる。言われなくとも天才は始めから知っているのだろう。俺は俺のロックをすればいい、これでいいのだ。

                      ひなまちゅり 上田現 上田現や! 02/3/3(Su)1:29

[16] Re[15]:Happy Birthday!!

数年前から話にでてた”41才の春”、とうとう迎えましたな。
おめでとうございます。
いやぁホント、月日がすぎるのはホント早い。

今年こそは去年見損ねた例の「緑の桜」、見に行きましょうか。 TOMO 02/3/3(Su)3:55

[13] ただいま

帰ってきました。今回も非常に面白い旅でございました。詳しくは後日ここで書きますが、相変わらず僕が行くと政情が不安定になってしまうのはもう宿命だろう、戒厳令一歩手前だったが何の問題もない。俺は元気だ! 上田現や! 02/2/25(Mo)12:27

[14] あらおかえり。

留守中の日本では空前のムネオ・ブームです。

ムネオハウス、ムネオカー、ムネオ診療所、ムネオ発電所、ムネオ道路、ムネオ超特急、ムネオBOX、ムネオ定食、ムネオロック... だい 02/2/28(Th)1:59

[11] 現のいぬ間の

平田だ、悪いか?
ちょっとキャラが違うな。
平田です。まだまだ寒さ厳しい今日この頃...
これでは堅苦しいか。
ぴらちゃんぴょえ~~
まあ、こんなところか。
さてこそ、
我がTHE THRILLがライブをやる。
4月8日(ON AIR WEST)なのだが、詳細は
http://www.linkclub.or.jp/~yukarie/index.html
あたりを見てもらえばごちゃごちゃと書いてある。
さらにニューアルバムも出る。
こいつぁー春から縁起がいい。 平 02/2/19(Tu)0:02

[10] しばらく旅に出ます。

pちゃんの日曜日

3 日曜日

「開きません、開きませんです」日本野鳥の会の玄関のドアをガタガタ揺らしながらダイキが言った。ガラスのドアの向こうには大きなオフィスが見える。
「電気ついてるジャン!誰かいるだろう?」俺は少しこえを荒げたが全然人がでてくる気配が無い。やってないのか?
「今日は日曜なので営業してません、あすは10時からですね」またいないと思っていたら杉野が携帯を耳に当てながら近付いてきた。瞬時に野鳥の会の電話番号を調べ問い合わせていたのだ。不思議な男だ、役割を的確に見つけ迅速にかつマイペースに活動している、しかも表情も変えずにさらりと。「もてるはずだ、、、、・」と俺は思った。自分はドタバタせずに行動することが昔から出来ない、妹の友だちからもタメ口を聞かれる始末だった。だから格好善くやりたいのに結局蛸踊りを踊っているブライアン フェリィーにシンパシーを感じているのかもしれない。それにしても困った、途方にくれて歩道に立つと向こうからタイミングよく、、見なれた、、おぞましい、、出来れば一生関わりたくない、、いやいやそんな風に個人を無視した言い方は善く無い、、つまるとこ僕だって一度は撃って見たい、、めんたまつながりの、、、、、、、、、。
「すみませ~ん!おまわりさん~!傷付いた鳩がいるんですけど、いえ僕がやったんじゃ無いですよ、どこか手当てしてやれる所思い付きませんか?ええ野鳥の会は休みです、ほら動物病院とかあるじゃん、日曜だからさどうしたら善いかと、、。」僕は何とか彼にこの事件の捜査本部長に就任してもらおうとねばったがそれは無理というものだった。合法的にピストルを持った男は少し迷惑そうにしながら、それでも水道道路にある動物病院とペットショップの所在情報を漏えいして去って行った。市民も守れぬ彼等に鳩を守るを期待をする方が間違っているのだ。僕は決断した。
「よし、ここから水道道路までは歩けない、一旦スタジオに戻って早急にリハーサル機材を全部降ろしてから車で運ぼう、全員で行きたいところだがメンバーは残ってリハーサルをやろう、後はダイキたのんだぞ!」僕はなけなしの1万円を、、本当になけなしの、、後三日はこれでやるつもりだった1万円を、、4レース辺りからやればメインレースの終わり頃には大金持ちになっているかもしれない1万円をダイキに手渡した。「、、ほえ@@、、」彼は力強く1万円を握りしめた。
我々は急ぎ足でスタジオにとって返す事にした。帰りは先の見えない事態に皆口が重たくなっている。やっと石川が口を開いて言った。「上田さんは一度も鳩を持ちませんね?」「うっ!、、、」
DIEの目が光った。「現ちゃん触るの恐いんでしょう?」「うっ!、、、」
正解だった。僕は例えば赤ちゃんとか、けが人とかケーキの入った箱とか取扱いを間違うとどえらい事になる納豆、シャンパンといった弱々しくて柔らかい物にどう接していいか未だによくわからないのだ、解らない物は全て恐れの対象になる。其の点ネコとかラーメンとか野球の軟球とか柔らかくても力強くてしなやかなものには強い。もしまだ首の座ってない赤ちゃんをハイと手渡されたら永遠に僕は硬直してしまうだろう。「いや、その、まあ、何だ、、」答えられなかった。彼等もそれ以上深くは追求してこなかった。
スタジオに戻った我々は早急にセッティングに取りかかった、早くダイキをフリーにしてやらなければならない。鳩の入った段ボールは一旦廊下のテーブル上に置いたが、気になるので箱を時々覗きながら僕は作業をしていた。鳩は丸い目をしておとなしくしている。「上田さんどうですか?」石川が心配しながら訊ねてきた。
「そうだな、因にこいつはPちゃんと名付けた!」俺は声だかに叫んだ。
「いや、そうじゃなくて、、、、」石川の顔には明らかに苦悩の色がうかがえた。
              
             (事態はなにも改善されぬまま次号へ、続きは俺がヒマラヤから帰ってきてからだ。一度イエティーをぶん殴ってみたかったのだ、行ってきます!なますて!) 上田現や! 02/2/13(We)16:36

[9] pちゃんの日曜日第二回です

pちゃんの日曜日

2 奔走

スタジオの階段は急であったが三段とばしで駆け降りた、スタジオは地下にあるのだ。既に他のメンバーは集まっているようだった、皆機材のセッティングに忙しそうだ。僕は手の空いていそうな怠け者はいないか見渡した。ダイキと呼ばれているギター付きのローディーが目についた、一見働いている様にみえるが、シールドをただ引っ張って遊んでいる。
「すまん!ちょっと一緒に俺と走ってくれ!訳は後で話す。」「????ほえ?」不思議な声を出したあとダイキは僕について走り出した、いやダイキよ俺を抜かして走ってどうする、まだ行き先は言ってないはずだが、、、、、。
大急ぎで僕は現場に戻った、ダイキも走ってくれた。ただ事で無い雰囲気を感じてかメンバーも後を追ってきてくれている。取りあえずあの親切なドライバーを解放しなければ。
「どうもお待たせしました、後は引き継ぎますので、ありがとうございました」ドライバーは律儀に鳩に寄り添い戦っていた、カラスはまだいたのだった。ただ流石にどかどか人がやってきたため諦めて我々と入れ代わりにどこかに飛び去っていった。
「じゃあ、おまかせします」言葉少なに彼は車に戻って行った。僕は彼の背中を見送りながら、いい奴だなと思った。だが問題はここからだ、メンバーはぽか~んとしている。
「いやあ~からすがね、この鳩を襲ってたんよ。でね、どうしましょう?、、、、、、取りあえずダイキ君この鳩を持ちたまえ、、」とにかく先に進むしか無いのだ。
「上田さんこれはどう言う事ですか」ベースの石川は明確な答えを欲しがっている。うまく答える自信がなく横目でダイキに抱かれた鳩を観察した。嗚呼なんと言う事だ、、出血こそしていないが、尻の羽根が全部無い
そう北京ダックの尻だ!尻の羽がないだけで見た事も無いへんな生物に変身している。しているが命に関わる外傷は無い様にも思える。僕は困惑しながらもここまでの経緯を皆に説明した。
「とにかく、手当てができる所に連れて行こう、でもどこへ?」「やっぱ動物病院でしょう」「なんか弱ってきているような気がするんですけど」「リハーサルどうします?」「鳩って暖かいです」「誰か車回してこいよ」ビルの前の騒ぎに気付いて閉まっていたシャッターから警備員が出てきた、齢65といったところか白髪が警帽から覗いている。
「なんですか?」
事情を話すとだまって聞いていた彼は大きく頷き自信をもって即座に答えた。「鳩は野鳥だろ?野鳥なら日本野鳥の会だろう。」
野鳥の会?いまは知らないが、紅白歌合戦で謎の活動を繰り広げるあの宗教団体じゃなくて愛護団体?
「本部はそこの交差点を左に曲って200メートルだ」
しかもすぐそばかよ!
「よし!よくわからんが我々部隊は今から日本野鳥の会に襲撃を掛ける事となった、有志の者は後に続くよう。出撃!」参加メンバーは石川軍曹、オーストラリア友軍外人部隊のdie,ダイキ2等兵そしてあれ?杉野、杉野上等兵!杉野はいずこ!水島!かえってこい~!
(ごめん!話しがずれたと言うよりは元ねたが古すぎた。日露戦争に詳しい爺さんにでも杉野上等兵の話しを聞いて見てくれ、更に水島はもっと関係ないです。因に上田現は右翼でも何でも無い!誤解しないように!)
「これ使って下さい、、」姿が見えないと思っていたらいつの間にかドラムの杉野が段ボールを持って近付いてくる、有り難い、てゆうかどこから持ってきたんだ?
我々は段ボールを組み立て、丁重に鳩を入れた。大丈夫だ鳩の意識はしっかりしている。我々は日曜日の甲州街道を鳩の入った段ボールを持って行進した。前方に日本野鳥の会の看板が見えている。がんばれ北京ダック!後少しの辛抱だ。皆の足は自然と早まっていた。
                        (何も解決しないまま次号へ)

                   上田現や! 02/2/11(Mo)20:38

[2]  今回の話はあまり気持ちのよい話では無いのでダメな人は読まないで下さい。意図は別にあるのですが。



 ピ~ちゃんの日曜日

1出合い


僕はその日は電車で出かけた、百物語のリハーサルだったのだが予算を考えると駐車場代さえ惜しまれたからだ。初台の駅を降りて甲州街道から山手通り沿いを歩いた。スタジオまではすぐだ、急げば遅刻せずに済みそうだった、曲順を考えながらも歩調が速まった。ライブ会場に三ケ所のステージを作るという無謀な試みを企んでいたので考えることはいくらでもあるのだ。もう師走の街路樹は葉が落ちて無味乾燥な風景が続いている。もうスタジオまで20メートルといった所だったろうか、通りがかったオフィスビルの入り口の方から何か聞こえたような気がした。その日は日曜だった、ビルの入り口はシャッターが降りていて電気が消えている人の気配はない。気のせいかなと思ったその時今度ははっきり聞こえた。『ばさ!pi~pi~@@@kueばさ!』明らかに変だ。なんだろう?と思った、頭の中で時間厳守君と好奇心君が戦っている。勝敗は好奇心君の秒殺であっさりと決まった。なんだろう?僕は歩道を外れて音の聞こえたビルの敷地に足を向けた、『kue@@pipi~』やはり何かいる。シャッターの降りた入り口の所に何かがいた。ねずみ色の物体と黒い物体がからまって転がりながら移動しているのが見える、何か生き物のようだ。なんだろう?初めは本当にわからなかったのだ。近付いて見て始めて腰を抜かす程驚いた。そんなばかな!そんな話聞いた事が無い!いやもちろんこいつの評判の悪さは昔から知っている、それにしても、、、。
 からすだった。からすが生きたまま鳩を食おうとしている。鳩は逃げようとしてくんずほぐれずの状態だったのだ。しかも人間が目の前に立っているにもかかわらず平然とやっている。『おまえそれはやりすぎとちゃうか!』思わず声を出してしまった。さすがにからすも驚いて鳩を離して飛び立った。飛び立ったと思ったらすぐ横の街路樹にとまった。様子を見ているのだ、勝手な思い込みではなく、確実にからすは僕を睨んでいる『おれのえさをよこどりしやがってqwe!』彼の気持ちがその視線から痛い程伝わってくる。僕がこの場を離れたら直ぐに奪還するつもりだ。どうしよう、鳩は助かるだろうか、どうせ助からないのならからすに渡した方が、いやまだ生きてる者をほっとけるか、助ける?どうやって!、助ける算段もないのにからすからえさを奪う権利が人間に、だめだ、だめだ、考えがまとまらん、そうだ皆を呼びに行こう自分一人で解決できない、嗚呼でもこのばを離れたらからすが、、いやそうこうしてる内に鳩が弱ったらどうする。パニックだった、明らかに現状ではカラスの方が論理的に行動している。僕は強引に山手通から路地に入ろうとした車を両手でとめた。『すみません!』運転手はかわいそうに非常に驚いた顔をして止まった、同い年ぐらいか。『すみません!そこで今鳩がそこにとまっているからすにに襲われて、え~とすぐにもどりますからここにいてくれませんか』『?????????』『いや、そこから見えますかね、鳩がねグッタリしてるんですよ、からすがねまだねらってるんですよ』『????』ひどい説明だった。上田現のMCよりも意味不明だったが、それでも運転手は良い奴で結局車から降りて鳩を守る事に同意してくれた。僕は走った、嗚呼リハーサルの初日だというのにしかも二日しかないのにと己の運命を呪った、こうなったら本気で助けるしかない。必ず返ってくる待っててくれ。なんの解決策も持たずに能無しのロッカーは走り始めた。(鳩の運命やいかに!続く) 上田現や! 02/1/29(Tu)5:26

[8] やっとです。

はじめまして、松本大英と言います。ハイ
いや~、なかなか書き込みできなくて、寂しい思いをしていたのですが、この度Netscape CommunicatorからNetscape 6に変えたところ、見事登場できるようになりました。
かなり乗り遅れた感は有りますが、今後ともよろしくです。
取り急ぎ、この喜びをお伝えします。 daiei 02/2/7(Th)17:00

[6] 悪魔君

以前悪魔君事件が世論をにぎわせた事があった、この死に腐れ事件も同じ改名の道を辿るのだろうか。個人的には奥村ぴよ、もしくは東奥村一丁目がいいと思うのだが。 上田現や! 02/2/1(Fr)9:53

[7] .....

....(殺) だい 02/2/2(Sa)0:19

[5] ごあいさつ。

あ、ども。

前触れなくリニューアルですね(そうですね)
きっとこれからはマメに更新してもらえることでしょう。
マメに更新されるといいなぁ。
いいなぁったら。

最近のもっぱらの悩みといえばですね、
俺様の妹の旦那はオーストラリア人なんすけど、
そのね、家族がね俺様のことを直接名前で呼んでくれないと、
こういうわけですよ。

まあ無理もないんすけどね。
OGの田舎町の漁師一家に突然とんがり頭のアジア人すからね。

しかも名前が『死ねやごらぁぁぁ!(意訳)』なわけでしょ?
「なあ、そのえーと、死んじまえ!どあほう!君は(ぷ)...」
いちいち爆笑ですよ。
こっちはなんもおもろくないっすよ。
万事この調子ですよ。

ま、がんばりますよ。

長文失礼。

奥村 DIE 大 だい 02/1/30(We)16:56

[4] 始まりましたな。

何故かこんな時間に書き込んでます。随分久しぶりに”ele”のコーナーが復活、ついでにいろんなとこが変わった。
なんかまだ慣れないけど、ちょくちょく書き込むうちにきっと慣れるんだろうか。これからもよろしく。

それにしても上田さん、こんな時間にいきなりの大作。さすが。(笑) TOMO 02/1/29(Tu)6:05

[3] いいえ、安心してはいけません。

上田さん、まだまだ年を越えたとはいえません。
まだやることは一杯ありますぜ。安心しないように。 TOMO 02/1/29(Tu)5:47