E L E  B B S

[301] データは音楽では無いというお話

何か知らんが、この一月以上長い文章を書く気が全く起きなかった。
いや、もちろん自己分析すると幾つかの要因は思い付く。多分一番大きな原因はmacの外付けHDを壊して、曲のモチーフやら何やらを全てパーにした事だと思う。
僕は昔から記憶しない。じゃあ記録すれば良いのだが、そう更に字を書くのも苦手な困ったちゃんだ。
僕は字が本当に下手なのだ。だから、文章も全てキーボードで打たれる。学生の時、僕の書いた物を丸写しした友人の論文が「優」をもらい、真正の論文が「可」であったあの日からそのようにしている。(笑)

まあ言い換えれば記憶能力がとって~も低い上に書記能力も無い。だからコンピューターがもし世の中に無かったらと思うとぞっとしてしまうぐらいだ。macは僕が感覚や感性でこうかな?っと創ったものを瞬時に記憶し書き留め続けてくれる相棒なのだ。
僕が子供の頃は「天才少年現る!」と言ったtv番組はかならずこの能力が高い子供か、もしくは情報処理能力が高い子供ーつまり意味も無く全ての駅名を北から順番に言える子供か、電卓よりも早く足し算引き算ができる子供と相場が決まっていたのだが、今やあの天才少年達にとっては受難の時代と言える程にコンピューターは進化してきている。
で今回の話しだ。僕はハードディスクを潰して三日程立ち直れずいたのだが。四日目の朝にある事に気付いた。つまりあの大量のデータの入ったHDを失いながら要は自分が何を失ったのか、このおばかちゃん自体がな~んにも憶えていないということだ!!
 
なーんだ じゃあ全然問題ないジャン!僕の知らない曲がどうなろうと知ったこっちゃない。だって、どうやっても思い出せない事、、それは初めから存在していない事と同じだ。
よく「現実はリセット出来ないですからね」という物言いを耳にするが逆だと言う事に僕は気付いたのだ。
我々生物は年中リセットしながら生きているのだ。現実はリセットの嵐だ。
そりゃそうだろう!本当に悲しい時の気持ちや記憶を保ち続けたら人は壊れてしまう。どんなに悲しい事でも楽しい事でも時が過ぎるとディテールは失われ、ある種の思い出となる。そうやって我々は生きて来たのだ。
音楽も同じだ。刻々と自分の中で変わって行く。フレーズ一つ取っても意味合いもニュアンスもすべてアメーバーの様に揺らめいている。
そう!データこそ、そのまま在り続けているのだ。何も変わる事無く、そのままだ。可哀想な奴らだ!
 
僕は又新たにコンピューターに打ち込む日々を迎えているが、まだ殆ど空っぽの新しいHDをあける度にパラレルワールドやって来たような感覚に陥る。
そしてあらためてレコディーングとは何なのかというテーマを突き付けられた喜びの中にいる。
これは、よい方に転ぶ!とにかく創りたい、結局そこに戻っている。僕は自分がアメーバーのようなものである事に感謝する事にした。 上田や! 06/4/20(Th)7:15

[300] 春なのに!!!

四月に入ったら一段落するので、ここで又色々と書き始めよう。と前回そう書いた、、、、。
すまんのう~~~。未だぜんぜん一段落していないのよ~~。
別にHPを忘れたわけじゃ無いからな!!って誰に叫んでるのじゃ、俺は。
とにかく、来週から始めるよ。

p、s

 今年は桜の話しも出来なかったな、、。そう言えば、そのころ町を歩いている人が桜を見上げて変な事を言っていた。
まったく気に掛けなかったのだが、後日同じ事を言う人いたので、流石に少し気になった。
こう言うのだ、、皆はどう思う?

「今年の桜はいつもより白くない?」

 僕はそう思わなかったのだが。 上田や! 06/4/15(Sa)2:45

[299] 春だ!!!!!!!

この一月は忙しかった。複数のプロデュース、複数の曲依頼と言えば売れっ子の様に聞こえるだろうが現実はそんなにやさしく無い。
現に曲が帰って来たり、お蔵入りになったり、色々と大変だ。だが、僕は気にしないでドンドン進まなければいけない。
なぜなら、全ては百物語や次のアルバムの布石なると信じているからだ。そうでなければ困る。
だから僕はやってくる仕事に関しては今どき死語かも知れないが、「全力投球」なのだ。

さて少し前になるが、僕の誕生日に多くの書き込みがあった。忙しい時、どれだけ励みになった事か。どうも有難う。
なにせライブの後の書き込みより多い程だ(笑)一度聞いたら忘れない誕生日に生まれた事を感謝するぜ。

四月に入ったら、一段落する。又色々と書こう、絵の話しも、ブログも言いたい事がいっぱいだ。それ以外にもPSEでもWBCでもイナバウアーでも原稿用紙100枚じゃ足りない話しばかりだ。いや足りるか、、、。

 とにかく元気ですよ~と言いたかったのだ。では。
上田や! 06/3/28(Tu)1:26

[298] 四捨五入するなよ!

わーお!45歳になったぞ。
僕が小学生の時「ノストラダムスの大予言」が大流行した。それによると人類は1999年に滅亡するとの事だった。僕はえらい事を知ってしまったと恐怖にかられたものだ。
そして、1999年の時はいったい僕はいくつなんだろうとも考えた。僕は37歳になっているはずだった。
その時の感想を今でもよく憶えてる。こうだ。(笑)
 『37歳か、まあ殆どおじいさんだからそこまで生きれたら十分かな、、?』

だあ~。少年ウエダはまだ何も分かっていない。
十分なんて物はいつまで経ってもやってこない。毎日毎日が驚きの連続であり、変化の
過程だ。誰にも決められたゴールなんてないのだ。

p、s

仕事中にどうしても我慢が出来なくなって、いや言い換えると自分にも出来るかも?と思って、突如「イナバウアー」を試みた。
死ぬかと思った。あれ、絶対出来ません、骨折れます。
 
p、s2

スタジオでトロンボーンの増井との会話

増井「げんちゃん!俺今年ワールドカップ見に行くよ!」
スッタフ一同「え~~~~~!!!!」
上田「凄い!アナハイムに行くんだ!!いいな~~!」
増井「何言ってるの?野球じゃ無いよ!」
上田「な~んだWBCかと思った、、。」
一同「お~~~ドイツですね!!!」
増井「え?なにそれ?ワールドカップと言えばモーグルに決まってんじゃん!」
一同「、、、、、、、、」

俺もいいかげんずれているが、増井は別格だ!

p、s3


マネージャーからの電話

増田「今頼んでる仕事、締めきりを二日の深夜12時にするんで宜しく!」
上田「分かりました。がちゃ!」

っていうか、マネージャー!別に良いのだが誕生日を締めきりにされたら変な気分だぞ!秒読みで年をとる感じだ!
具体的にはこんな感じだ。
「ああ、後六時間しか無い、、ああ後六時間で45才か、、。ああ後ニ時間しか無い、間に合わん、、ああ後ニ時間で45か、、ああ、後十分で締め切りだ、、、ああ~~もう12時だ締め切りだ~~あれ?もう45だ~~~。ああ~~締め切りだ~~。」

p、s4
で絵の話しはどうなった? 上田や! 06/3/3(Fr)2:07

[297] ええと、お騒がせしました。

削除完了。drx and 増田殿、有難う! 上田や! 06/3/1(We)2:56

[296] アウト!

ここの所忙しく、更新出来ないでいた。ごめん。
先日たまさんという方が重い病気だと知り、少しは何らかの応援になるかしらと思いbbsのほうに直接書き込んだ。
今日bbsをみたら、それを逆手に取って勝手に上田の名前を語っている人がいた。人の気持ちを踏みにじる行為に感じる。「279」の書き込みは私では無い。
 
内容もかなり下らないのだが、僕が怒っているのはそこではない。
人の名を語りその責任を他人に転嫁していると言うことだ!それはルール違反だよ。
 
p10153で始まる方、もうこんなことはやめてくれ。悪戯もタイミングがあるだろう?

p、s
 drx.もしくは増田殿「279」削除願います。

p、s2
また、近々に更新しますので、みんなは別に気にしないでちょ~よ。

                               元祖うえだや! 上田や! 06/2/27(Mo)0:33

[295] 中編

一枚の絵「中編」=後編にしようと思ったが、例によって話しが広がり始めた。

 そう、だんだんと僕はその絵と暮らすのが負担となっていた。
別にその絵が、実際に何かを引き起こしたわけでは無い。嫌な感じと言えば分かってもらえるだろうか。ただ、その絵を見る度に「嫌な感じ」がするのだ。
僕はいわゆる、霊感とかそういった類いの能力はまったくと言って無いので、これは明らかに作者の力だと思った。どういうつもりで作者がこの絵を描いたのかは知らないが、多分怒りのようなものを絵に重ねたのだと思う。
ただ、恨みであろうと、悲しみであろうと、本気で伝えたいメッセージが乗り移った作品は、やはり力のある作品となり、同時にある種の美しさを重ね持つ。
これは絵だけの話しではない、アートに関わるものは勿論の事、生活用品に至るまで本物とはそういう事だ。
例えば戦車も日本刀も言ってしまえば兵器に過ぎないのだが、突き詰めれば兵器だってとんでもない美しさを身にまとうに至る。この突き詰めるという点に於いて、是非もなくその絵は優れていたと言う事だ。
 
こう言う話しをすると機能美と一言で終わらせてしまう人が多いが、機能と美が何故一体化するのかと考える人は少ない。
僕はこう思っている。
理にかなった思考にしか機能は宿らない、それが具現化して目の前に現れたと言う事だ。それが何であれ、誰かの思考が純粋に抽出されて正に手に触れる形で出現したら、人は少なからず衝撃を受けるのだ。
 
だって本来は人の心は揺れる物だからだ。形の無いものは触れられない。
だが具現化した心に揺らぎはない。
それは恐ろしくも美しい物なのだ。絶対に揺らがない心、、。

そう、恐れながらも僕は彼女を愛してもいた。
 
僕は来客がある度に、壁に立て掛けたこの絵の感想を尋ねた。やはり大方の人間が嫌悪感を示したが、美しい絵だと誉めるものもいた。問題は来客がある度に絵の感想を求める僕の心の有り様にあった。
「いかん何処か絵に支配されている~」(笑)
 
何度となく、不燃ゴミと一緒に出そうかとも思った。
だが、実際にそんな行動に出る事も無く、月日は流れて三年が経っていた。

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、


さてびっくりするぐらい話しが飛ぶが後で繋がる。
 
その昔岐阜で行ったライブで負傷したことがある。「おやすみ」という曲の間奏でピアノの裏打ちを何故か物凄~く激しくする場面があるのだが、あまりにエビぞっては裏打ちをしたため、突如体中激痛が走って全く動けなくなってしまった。(普通に弾けば良いだけの話しだったのだが、、あほだ、、)
指だけかろうじて動いたのでライブは最後までやって、当時ローディーだった、なっ君にかつがれるように舞台を降りた。後で分かったが背骨がずれていた(笑)
蝉の抜け殻のような体勢で楽屋に放置されていたが、いくら休んでも中々動けない。そりゃそうだ、背骨がずれているのだから。
病院も空いていない時間なので、皆思案にくれていたが。ある地元のスタッフが妙案をだした。
「あそこなら夜でもやってる!」
地元のスタッフは手を打って、それだ!という顔をした。
何だかよくわからないまま、当時マネージャーだった北島女史と僕は二人でタクシーに乗り込んだ。
窓越しに行き先をスタッフから告げられたタクシーは返事もせず、夜の岐阜の街に吸い込まれる様に車を出した。

どのぐらい走っただろう、窓の外の様子がおかしい。ネオン輝く繁華街なのだが、車の往来が妙にゆっくりだ。良く見ると通りの店全てがいかがわしい看板を出していて、こわそうなお兄さんや、おっさんや、わーお! おねーちゃんが わーい!おねえちゃんが、って ソープ街のど真ん中やんけ!

車はソープ街のまん中で止まった。
「そこの路地入って行った所。」運転手はそれだけを我々に告げて去って行った。遠巻きにおにーさん、おっさんが我々に視線を飛ばしている。
「金津園って言うんだって。」マネージャーがぽつりと言った。
 
聞いた事はある、有名なソープ街だ。昭和33年赤線防止令の施行の後も彼等は名を変えながら生き延びて来た、遊廓、赤線、トルコ、ソープと時代に合わせて、いや時代をすり抜けて常に存在する。最も古い職業の一つ。
それにしても独特の風景だ。だって通りにソープ店しかないのだから。
普通繁華街は飲食店、雑貨店、衣料品店等が立ち並び風俗店がその雑多性を高める効果を放つのだが、ここは違う。一色のフィルターで撮られた写真の様だ。
全く同じ職種の店しかない通りはそれが何であろうと見事な世界観を構築する。風俗に限らず東京の秋葉原、カッパ橋、人形町、大阪の松屋町、道具屋筋、日本橋、どこも一種独特なのは同じ理由だ。
もし、ある通りに、ファミリーマートとセブンイレブンとミニストップとポプラとam,pmとローソンとサンクスしかなかったら異常な風景になるだろうと言う事だ。ディズニーランドはそれを敢えて逆手に取って成功した物と言えるかも知れない。どこか、先に話した機能美の話しと似ている。
 
「面接ですか?」
「???、いえ、違うよ。」
お兄さんが話し掛けて来た。女性連れの僕に寄っては来ないだろうと思われた客引きのお兄さん達は表通りで立ち尽くしてる我々にすぐ話し掛けて来た。意味がわらないので相手にせず、運転手に言われた路地の方に向かうと叉別の人が声をかけて来た。
「め、ん、せ、つ?」
何で、まともに歩く事も出来ない俺が面接を受けなあかんの?と言うよりも何の面接やねん!と思いながら路地に入った。北島マネージャーは緊張のせいか、ゼンマイ仕掛けのおもちゃのように表情が固まったままズンズン進んで行く。
「こら、だから、俺を置いて行くな!一人では歩けんだろ。、、は?え?いえ、面接じゃ無いって!!だから、誰なん?君は!」
そうこうするうちに路地の奥に「整体」の看板が見えた。

次回後編に多分続く、、。って絵の話しは? 上田や! 06/1/29(Su)2:02

[294] 一枚の絵


三年以上前になると思うが、バリのクタを歩いてた。テロで爆破される前日だから日時は調べれば分かるのだが手許に資料が無い。あれからクタがどうなったのかはよく知らないが、当時は土産物屋が立ち並ぶコテコテの観光地だった。
国際空港のあるデンパサールから近いので皆旅の終わりにこの街にやってくる。そういう僕もバリ最期の夜をこの街で飲んで締めようとウロウロしていたのだ。
酒が入っていたので、はっきり場所は憶えていないのだが爆心地から程近い大きな中庭のある大きなレストランの一角に骨董屋を見つけた。間借しているのだろうか、なんとなく入ってしまったのだ。
バリの民族衣装や絵画や民芸品にまじって古い時計や家具、アクセサリー等が所せましと積まれている。やはり繁華街なので高い、絵画は絵書きの集まるウブドゥの街と比べたら倍ぐらいだ。
僕は民族楽器を片っ端からぽくぽく叩いては冷やかしていた。別に買う気は毛頭無かった。
そんな時に僕は彼女と出会ったのだ。
彼女は古い家具の上に無造作に立て掛けられていた。ほこりのかぶった一枚の女性の肖像画。
明らかにバリの絵では無い。服そうと髪型から中国人女性だと思われた。
 
くせのある絵だった。とても美しい青い衣装を身にまといながら、彼女の背景は全く描かれておらず。真っ黒に塗りつぶされていた。
その女性は正面を見つめている。その目はうつろにも見えるし、睨んでいるようにも見える。精神を患っている様にも見えるが、ただ落ち着いておとなしく座っている様にも見えた。彼女の心のありようが全くわからない。僕は物凄くその絵に惹かれてしまった。

美しい、いやな絵だ。ほしい、、。

値段交渉は本当に面倒だ。インドネシアに定価というものはない。ましてや日本人相手となるとむちゃくちゃ言ってくる。現に先程「裏」の両替屋で軽いトラブルを起こしたばかりだ。とんでもねえ野郎だ、高いレートの看板を路地裏にだして、民家の裏庭で営業しているのだが。とにかくお金を数える振りをしながら、数枚抜くのだ。
やり直しを命じても、何度でも同じ事をする。子供の手品だ。結局頭に来て両替をとりやめたばかりだった。

『ここからは英語を翻訳して日本語になっている。よって、たどたどしい方が上田現だ。』

「お客さん、中国の絵ですよ。」いつの間にか店員が横に立っている。
「ソウデスカ、ワカリマス。」
「80年前に北京で描かれたものです。絵の具にガラスの粉が混ぜてあるので少し光沢があります。」
「ナンボ デスカ?」
「十万円、でいかがですか?」
「アナタハ アホデスカ?ワタシハ チガイマス。」
「特別五万円までなら、ディスカウントしましょう。」
「アナタハ ワタシヲ ナメクサリマスネ ワタシハ アナタヲケトバシテ ソノアトウチニカエリマス!」
「幾ら持ってます?」
「アナタハ アホデスカ?ワタシハ イイマセン ソンナコトヲ。」

結局8000円程で買った。多分それでも、十分ぼられているだろう。まだまだ下げられた。でも値段交渉になれない我々は途中で、もう本当に面倒臭くなるのだ。
 
余談になるが共産主義の国はその真逆で、以前市場経済導入前の上海の郊外のマーケットで、売れ残って、へこんだ埃まみれのバケツと新たに入荷した新品のバケツが並んで同じ値段で売られているのに衝撃を受けた事がある。同じ型のバケツであると言う事なのだろう。一度決めた定価は動かないのだ。
これはこれで困り物だが、紙袋一つ買うのにも値段交渉から始まる世界も堪え難い物がある。

とにかく、僕はその肖像画を日本に持ち帰った。その骨董屋や僕が飲んでいた店が爆弾で吹き飛ばされたのは、そのちょうど24時間後と言う事になる。クタのテロのニュースを知った時、怒りや悲しみと共にふと思った事がある。
この絵は中国での戦火を逃れてバリにやって来た。今度はテロから免れて、今東京にいる。
「僕が彼女を救ったのか、それとも彼女が僕を救ったのか!」
僕がこの絵を手放すと、今度は僕の家に災いが起こるのだろうか、、、。それともこの絵を所有していると災いが降り掛かるのか。
美しさから思わず買ってしまったのだが、そんな事を考えている内にだんだん其の絵が重く感じられる様になって行った。絵の持つ狂気を鑑賞する事は僕にとって、とても楽しい事なのだが、共に暮らす事がこんなにしんどいとは思っても見なかった。
手放したい、でも美しい、手放したい、でも美しい、ああ~~~、、、。三年もそんな事を考えながら暮らしていた。

    上田や! 06/1/18(We)20:18

[293] 新年おめでとう!

明けましておめでとう!ガキの頃は21世紀なんて本当に来るのかしらと思った物だが、現実はそんなもん軽くすっ飛ばしてドンドンやってきやがる。2006年だ。
いつも何でも来い!と叫びながら、ひえ~~~~とオタオタしてウン十年、今年も当然ニワトリの学習を積む!

俺は色んな意味に於いて我々の住む世界は一つでは無い、と常々思っている。他人の気持ちがわからないわ~ん、と言った小学生のような話しをしているのでは無い。
我々が律儀に守っている、世界観の外にも世界は存在すると思っているのだ。(勘違いしないでね、テロリストの話しじゃ無いよ)
簡単に言うといくらでも音楽にはやり方があるだろう、そう俺はもっと喰らいたいと考えてる。新年早々うるさい、、、?
 
だれにもどんな一年になるか何てわからない。上等じゃないですか。僕は僕なりに戦いますよ~と言う事でした。
では皆さんにとっても良い年になりますよう祈りながらこの支離滅裂な新年の挨拶を締めさせて頂きます。

今年も宜しくお願いします! ポン!

             ここを見てくれている皆様に!  元旦 上田現 上田や! 06/1/1(Su)3:04

[291] メリークリスマス!

全国的に雪景色らしいが、僕の住む街はその気配が無い。
雪国の生活がどれ程大変かは雪山によく出かける僕は少しは知っているつもりだ。でもやっぱり、素直に言うと、ホワイトクリスマスはうらやましいぞ。
以前寒い冬の夜に僕のアパートに沖縄の友人が遊びに来た事が在る。部屋で飲みながら話しをしていたのだが、今日は何だか静かだなと思ってカーテンの隙間から外を見たら、街は既にうっすらと雪化粧を始めていた。偶然その夜、東京は雪が降ったのだ。
色んな要因があるのだろうが、雪が降ると音が消える。あの静寂はなんとも言えない落ち着いた気持ちにさせてくれる。
 僕は客人に気付かれない様にそっと表に出て生け垣の雪を集めて小さなだんごにして部屋に戻った。彼を驚かせる為だ。彼は雪を見た事が無いと事前に知っていたのだ。
「はい、プレゼントや」「何?これ」
雪を手に乗せ、ぽかんとしている客人に僕は窓をあける様に促した。
 「うわ~~~~~~~~」その時の友人の光り輝いた目を僕は忘れる事が出来ない。彼は飽きる事無く舞い散る雪を、白い街を眺めていた。
次ぎに彼が発した言葉も素敵だった。
「現さん、ここ、本当に日本!?」
どっちがやねん!僕らは笑いながらそのまま雪見酒と洒落込んだ。もうかなり昔の話しだ。

雪の無い街には青い海があり、青い海の無い街には深い山がある。どちらも無い僕の街だって良い所なら在るぜ。たった今暑い国も、寒い国も、唯それだけの事かもしれない。
だが、それだけの事が世界に深みを与えている。

今日はクリスマスイブだ。
バカヤロウ俺は残業だよという人も、腹空かしてる人も、戦争している人も、デートで頭いっぱいの人も、コーラン詠んでる人もいるだろう。現実を目の前にすると幻想も揺らぐ。幻想は心だ。揺らいだ心の上に建つ現実はもっと悲惨になる。

 本当は今日が何の日か僕は良く知らない。 
でもメリークリスマス! お互いに良い事があります様に。 上田や! 05/12/24(Sa)11:41

[290] 御乗船有難う!

昨夜は御乗船ありがとう!新曲を含め未収録曲が5曲、さらに提供曲も2曲あったので知らない曲が多かったと感じたかもしれないが、今歌いたいなと思った物を並べたらこうなった。

 メンバーには「スタンディングなんだけど、だからといって踊れる曲を中心にしなければならないと言うのは違う。」と言った。そしてそれを堂々とやり遂げたいと思ったのだが、やっぱり上田はあたふたするなぁと自分で思った。小学校の先生は毎年通知表の余白に「現ちゃん、もう少し落ち着きましょう」と書いてくれた。
 
わしゃ、落ち着くと死ぬのじゃ!

僕がいつも思っている事、それは美しくて、温かくて、強くて、繊細で、爆発してるのだけど静かでもあり、鋭利で、いじわるで、それでいてかなうならカッコイイ音楽が作れたらどんなに良いだろうって事だ。
約束の丘は遥か彼方だが出航する。一歩でも近付きたい、これは年齢には関係の無い事だと思っている。

さて新曲をやる時はこちらも凄く緊張する。もちろん楽しみなんだけど不~安だったりもする。
自分はいつも「これや!」と思って発表するのだけど同時に心の奥底の奥底で「くだらんって思われたらどうしよう」と言っている小心でつまらない男も発見してしまう。(笑)
その男に気付く事はとても情けない事だ。情けない事なのだが、それも又自分である以上しかたがないので彼も又乗船してもらうしか無い。
 まあ、これからも蛇行しながら絶対に沈まない船を進めて行こうと思う。(蛇行するのかよ)
 又来てね!!!!!!!!!
 
 p、s
ライブは昨日で終わりなので寂しいのだが、それでも何だかんだと忙しい。年末年始も働いてます。
皆さんもこの時期は忙しいと思いますが、無茶せんようにね、老婆心や!

 p、s 2

物販の地図、あれを書くのに絵書きじゃ無いからえらい時間がかかった。でも作るのはとても楽しかったのだ。お買い上げ有難う。要望があれば又作ります。 上田や! 05/12/18(Su)0:22

[289] 間もなく出港します

今年最後!気合いを入れて 行きます。 上田や! 05/12/16(Fr)13:28

[288] 放射冷却

深夜だが今外を歩いてた。素晴らしい寒さだ!確かに寒いのはつらいが、でもこれが正しい寒さだ。
空気が凛として、浄化されるような気さえする。みごとな月が出ているにもかからず、星も近くに感じる。放射冷却だ。
こんな夜は色んな事が胸に去来しては消える。駅前で勝手にキャンプファイヤーをやりたいぐらいだ。やらないけど、、。
明日は最終リハーサル。この感じを保つ。 上田や! 05/12/14(We)1:22

[287] 忙しいのは好きだ~!

ライブの準備やら何やらでどたばたしている。そのうち更新します。すんません!
p、s
bbsに書き込まれているように、確かに俺が見たのはコウガイビルだ。名前を教えてくれて有難う、ってもう二度と会いたく無いのだが、、、。 上田や! 05/12/7(We)1:28

[286] それにしても、、

うう、、。書けば書く程、話しが難解になってる。
ダァ~~これじゃだめだ!(笑)
 重苦しいばかりで、楽しそうじゃ無いぞ。全然違う!

ややこしい説明はやめた。たのしそ~な感じで行く。
今日僕はつけ鬚を作って遊んだ。とっても楽しい一日だった。ってこれじゃ、ただの変人か。
仕事しーようっと。

p、s

 全く関係ない話しなのだが、以前住んでいた家の風呂場に全長20cmぐらいの細長い生物が現れた事がある。ミミズを平べったくした感じのグレーの軟体動物で頭は正三角形だった。
 もちろん、凄い悲鳴を上げた。言葉に変換すると「ぎょわ~~~!」だ。調べてみたが該当する生物を特定出来なかった。

今日そいつに出会ったのだ。今回は湿った落ち葉の上にいた。知らない人が「ぎょわ~~~!」と叫んでいたから間違い無い。全然嬉しくない再会だったが、何者なんだろう。 上田や! 05/11/24(Th)0:22

[285] 僕も考えた

『アトラスについてはわかったのですが、「わくわく」するびょ~んっていうのには、あまり納得が行かないと多少勝手に思いました。』とbbsにあった。

うう、、、実は俺も読み返してみて、あまり説得力のない文章だと思った。みなの目はキビシイのう~(笑)
多分それは誰も世界を背負う必要は無い!ばかちんが!と叫んでおきながら、アトラスにひかれている矛盾を孕んだ僕の気持ちが文章にちゃんと現れていないからだろう。
 
僕は全てを背負う覚悟の人間は何かを見落としているだろうと思っている。
 『やわ肌のあつき血潮にふれもみでさびしからずや道を説く君』だ。
答えはとっくに出ている。与謝野晶子は正しい。
 正しいのだが、少しつまらなくも感じる、、、でたらめも好きなのだ、、。
それを言うのが恥ずかしくて、はしょった。実はアトラスをバカにしながら、どこかうらやましいと思っている自分がいる。だって天球しょってるんだもん。そんな恥ずかしい事は書けなかった。
 
僕は常に矛盾を抱え込んでいる、ドン・キホーテのように行こう!と思いながらそれを醒めた目で見ている自分がいる。
正しく言うと「わくわく」したいのだ、「絶対に沈まぬ船」を作りたいのだ。そしてそれをみんなに見せたいのだ。でも阿呆か?と言ってる小心な自分もいるわけだ。
更に毎日違う自分が語りかけてくる。僕は一日の中で、何度盛り上がって、何度落ち込むやら。
 
それでもライブがやりたい!やりたい。やりたい。これだけは止めようが無い。
これをもっと上手に言えたらと思うのだが。言葉が見つからない。

みなを納得させれるかどうかは正直わからん。でも何よりも強い気持ちでライブに向かう。これから先もだ。そこは確信がある。 上田や! 05/11/23(We)1:52

[284] ATLAS!

さて、宣伝の続きだ!12月16日 「絶対に沈まぬ船 出航する 12月のアトラス」チケットいよいよ明日発売です。

一般に地図を英語でいうとmapという言葉が思い付くが、atlasも地図という意味だ。僕はこのアトラスという呼び名が気に入っている。
商店街で配られるお店紹介の地図は、確かにmapでよいが、大海原を行く時にはmapより何かatlasが似つかわしい様な気がするのだ。
我々が良く見る世界地図はメルカトル図法といって、やたら、ロシアやグリーンランドがでかすぎる、つまり北極、南極が赤道と同じ長さに無理矢理伸ばされてしまった、あれ、なのだが。
 図案の考案者メルカトルは遺言にギリシャ神話の巨人アトラスの名を地図に明記して欲しいと書いた。
 それ以来世界地図の表紙はアトラスの絵で飾られるのだが。地図自体がいつしかアトラスと呼ばれるようになって行った。
このギリシャ神話の中のアトラスというおっさんは凄い奴で、背中に天球を乗せている。何でもオリンポスの神々に反旗を翻し戦ったあげく、ゼウスに与えられた罰なのだそうだ。
 僕の知る限り、世界で一番の「重荷」を背負ったのは彼だろう。本当に重そうじゃ、、、。世界を支えている象さんや亀さんよりもっと大変だぞ。

何でメルカトルはアトラス君にこだわったのだろう。気になった。そして思った。
当時世界を描くと言う事は世界を背負う事と同じぐらいの重い重い作業だったのだろうか、それとも未だ見ぬ世界を行く者達への戒めなのだろうか。何にせよ、アトラスは宇宙を背負っている。

ミュージシャンの僕は世界なんか絶対に背中に乗っけない、乗っけてはいけないと思っている。言い換えれば、背中に世界が乗っかっているように感じている生きてる人は何かをすっとばしている、多分、そう、ワクワクしていない。苦悩の世界だ。
僕が今回12月のアトラスをタイトルにしたのは、たとえ大航海に出るにしても「ワクワク」するびょーんと言う事なのだ。
 新しい地図なのだ、今の地図なのだ。問題があればドンドン書き換えれば良い。これで正解とかお終いとか無い。見る事知る事全部書き込んじゃおう。そんな気分だなのだ。
 
遊びにおいで!
上田や! 05/11/18(Fr)22:04

[282] 今年最期のライブ~!

さてさて、ライブチケットの発売日11月19日が近付いて来たので宣伝だピょん!
 土曜日よ!土曜日!どよ~び~!ああ~自分がうるさい、、、。
 
今回は『絶対に沈まぬ船 出航する!ー12月のアトラスー』とい長~いタイトルの付いたライブだ。

この世に季節限定の地図も沈まぬ船も存在しない。そんな事は知っとる。
でも絶対なんて無いよ!。なんて俺は言わない。何か凄く大見得を切りたいと思いました。
 幾ら月に行きたいなと思っていても、月には到着しません。だから向かう事にした!そんな感じだ。
 
そりゃ、どんな仕事だって、人生だってその先がどうなってるかなんて解らない。
だから本屋に行けば、「ビジネスの先を読め!」とか「後悔しない人生設計!」とか「2010年現ちゃん大王が空から降る!」とか、いや、ねぇーな、、、、でも、まあそういった類いの本が平積みになっているのだろう。皆不安なんだな。
もちろん、ミュージシャンなんか、もう笑っちゃう程不安よ(笑)、、ほら笑った。

でも、この仕事が好きで、ライブが好きで、皆さんが好きでござんす。

だったら、自分がびびっててどうするねん!信じないでどうすんねん!俺はまだまだ、これから、アルバムドンドン出して、ライブガンガンやりたいんだろう?

眉にしわよせないで、ライブやります。新曲やります、出せるだけ出します。今年最期のライブです。来年に向かいます。いやもっと先に向かいます。
安いチケットではありませんが、是非御乗船下さい!この船は沈みません。


p、s

アトラスの話しは次回じゃ!乱文にて失礼。
上田や! 05/11/15(Tu)0:48

[281] 東京タワー4 シークレットブーツ

第一展望台は150メートル。今や観覧車でも100メートルを超えるのは当たり前の時代なので、安心の高さと言えるかもしれない。現代人を驚愕させるにはもう500メートル越えが必要かもしれない。現に大林組等建築業界は既に1000メートル越えの技術に自信を持つに至っている。もうバベルの塔の世界だ。
 
小雨降る東京の街は見なれた街並で、今一つ元気が無い様に見えた。「寂しい風景や、、、」と思った。例えばレインボーブリッジからとか、外から見る東京の景色はとても活気に満ちあふれているのに、まん中に立つとこんなものか、とも思った。
赤く塗られた鉄骨が眼下に続いている。深みのないペンキの赤だ。他の色は考えなかったのだろうか。例えばこのタワーを雪の様に真っ白に塗り替えたら、美しいだろうに。
大展望台から特別展望台へは又新たに別のエレベーターに乗り換えなければならない。そのエレベーター乗り場は大展望台から更に上階にある。最上階を目指す人はそこまでみな自力で登る事になっていた。それは別に構わないのだが、問題は無用な演出がなされている事だ。

第2エレベータ乗り場に至る長い階段は意味不明のライティングが施され、ゆらゆらと揺れたり、赤や青のライトが点滅しながら足下を照らしている。更にここは宇宙空間かよ!といった謎のシンセミュージックがこれでもかと降り注いでいた。少々の意味不明には我慢出来るが、要は、つまり。
「ものすごく歩きにくいんですけど、、、、。」
レトロだね、とか昭和だね、といった寛容な気持ちでこれらを捉えて良いものか、僕は悩み始めた。あまりに美意識に欠けている。これは万博の悪影響だろうか。

確かに日本は何でもテーマパーク化する悪しき傾向がある。
 もう誰もラーメン博物館ぐらいでは驚かない。ラーメンどころかカレーもはたまた餃子まで博物館になってる。うまいラーメンぐらい自分で探せよ!
更に観光地は全国テーマパークの嵐だ。「オルゴール博物館」「オルガン博物館」「マリオネット博物館」「フランス人形博物館」この間は「怪しい少年少女博物館」というのを見つけた。もうわけわかんな~い。ドライブに行ったら、海とか山とかで遊べば良いジャン。
 
僕は「東京タワー」に会いに来たのだ。揺らめく、光る階段を見に来たのでは無い。もうこうなったら僕を東京タワーの館長にさせるべきだ。ちゃんとしたアイデアを幾らでも出してあげる、、、。余計なお世話か、、、。
僕が思ったのはこのタワーをもっと大切に扱って欲しいと言う事だ。「大切にする」その発想に立つだけで、すべてが変わってくるはずだ。だれでも楽しめるようにと場当たり的にやって行くと誰も楽しめない昔のデパートの屋上の様になる。「観光客相手なのだからこんなものだろう」は怠慢どころかもはや失礼だ。

「ここで気を失うわけにはいかない」自分に言い聞かせながら最上階につながるエレベーターを目指した。
 山下画伯が「ボ、ボ、僕はあの美しい、富士山に登るんだな、、。」と登山を始めたものの、登れば登る程、あの美しい富士山は消えて、「お、おかしいな、富士山はどこにいったんだろう?ぼ、僕は富士山に来たはずなのに、周りは岩だらけなんだな」、というテレビドラマを思い出しながら。

特別展望台は250メートル、流石に少しは「特別な展望」を提供している。浜離宮が箱庭のようだ。うん、やっぱり楽しい。でもこの展望台は狭いのですぐ一周出来てしまった。
そこで僕はある事に気が付いた。人はまばらで、たった四組程のお客さんなのだが僕以外は全員が異国の方だ。白人の父子、黒人の家族連れ、韓国のカップル、中国のビジネスマンだ。そういえば第一展望台も外国の方が多かった。彼等は盛り上がるわけでも無ければ、退屈そうにも見えなかった。静かに遠くのビルを指差したり、談笑したりしている。
遠い国からやって来て、いまでも結局ここに来るのだなあ、、。でももう日本人はあまりここに来ないのだろうか、、。
「ようこそ、善くも悪くもこれが日本です。本当はもっと、あなた達に多くの事を見せて上げたいのだけど、じゃあ何が良いかと考えたら、何も浮ばないのです。この塔の持つ何とも言えないもの哀しさもタワーにまつわるプロジェクトXのお話も外国の方にとってはどうでも良い話しでしょう。でも一件、つまらなく見えるこの街にも、素敵な人が、もちろん嫌な奴もいっぱい、懸命に暮らしています。それは何処に行っても同じ事でしょう、ね?」心の中で話しかけた。

彼等の目にこの街は、どう映っただろうか。彼等も「不思議な散歩道」を歩くのだろうか。何とも複雑な気持ちを抱えて僕はタワーを後にする事にした。
振り返るとやはりタワーは何も言わず、雨の中を立っている。少しかすんで、貴婦人の様にも見えた。色々と経験を積んだ大人の美しさだ。これは設計者や経営者の力というより、本人の力だ。
「雨がこんなに似合うタワーなんて、そうあるものでも無いだろう。」しばし、みとれていた。


p、s
家に帰って新聞を広げたら、唖然とする記事が出ていた。東京タワーの背が伸びるらしい。それをここに転載してお話を終わろう。何故か僕はこの記事を読んで笑ってしまった。
 シークレットブーツじゃあるまいし、、、。

 
東京タワーが360メートルに?運営会社が計画
観光名所の1つ、東京タワーの高さが地上333メートルから360メートルに――。同タワー運営会社の日本電波塔(東京・港、前田伸社長)は2011年に予定されるテレビのアナログ放送終了をにらみ、タワー改造計画をまとめた。地上デジタル放送の送信環境を向上させるのが狙いで、新タワー建設構想への対案として放送業界に提示した。
日経新聞 上田や! 05/11/9(We)19:13

[279] 東京タワー3 大ちゃんドカンと丸裸

不思議な散歩道と書かれた入り口にまで来ると今度は410円と書かれているので、一瞬ひるんだ。僕の怯えを察知したのか、窓口のおねーさまが僕に語りかけてきた。
「お客さまのお手持ちのチケットでこちらは入館できますよ。」
僕が右手でびらびらさせているチケットを見て気付いたようだ。
「え?そうなの、、。」僕はどうやら、いらぬ共通チケットまで買い込んでいたようだ。でも水族館はやはり別料金なのだそうだ。
まあいまさら、そんなことはどうでもいいや、と言った顔をしながら(本当は気にしていた)僕はゲートをくぐった。
入り口を入るとまず小さな部屋があって、どうでもいいような出来の悪い、フォログラムが意味も無く展示されていた。それを無視して先に進もうとすると次への入り口が見えた。
 何か書いてある、、。『出口』
終わりかよ!!!!!!!!!
 散歩道は何処にいったのよ?確かに不思議ではある、でもあんまりよ!っていうか、散歩道でも何でも無いし。
これにはかなりのダメージを受けた。もういい、何かショックで眠くなって来た。僕は急激にテンションを下げられると眠くなるのだ。
 多分、隣に見えている有名な?!蝋人形館に入ったら間違えなく三十年程寝てしまいそうだ。そして僕はきっと、「冬眠人間」と名札を付けられそのまま展示されてしまうだろう。もう一刻の猶予も無い、当初の目的を果たすべく、エレベーターに乗らなければならない。
僕はエレベーターに飛び乗り、ガラスの窓にへばりついた。「外を見るのじゃ!」
エレベーターは聞きたくも無いナレーションと音楽を提供しながら、天空を目指し始めた。
東京の町並みが赤い鉄骨の向こうに現れた。
 

「そういえば、風大左エ門の妹はこの鉄骨をよじ登ったんだよな、、、。」ふとそんな事を思い出した。

 いなかっぺ大将というアニメがあるのだ。原作者は川崎のぼるだ。しらん?、、、、そうか巨人の星の作画者と言えばわかってもらえるか?ちなみに主題歌は若き日の天童よしみだ。
お話は簡単だ。主題歌の一番で全部わかる。とほほの歌詞だ。
『一つ人より力持ち、二つふるさと後にして、花の東京で腕試し、三つ未来の大物だ、大ちゃんどかんと丸裸、てん、てん、天下のいなかっぺ』
それだけの話しだ、、。何故か毎回、お話の最期には主人公の風大左エ門は丸裸になって、それがオチとなる。余談になるが杉本恭一氏は座右の銘に「大ちゃんドカンと丸裸」をあげていた。

子供の頃見ていたので、殆ど憶えていないのだが、そのいなかっぺ大将にこんなお話の回があった。

風大左エ門は北海道の山奥にかわいい妹を残して来ている。ある日妹は思うのだ「お兄ちゃんに会いに行こう。」おにいちゃんへのお土産のおにぎりを持って妹は単身北海道から東京を目指す。まだ、たぶん小学校1、2年の女の子だ。
何故だか、補導もされず上野駅に降り立った妹は、東京の街並を見て途方に暮れる。
「お兄ちゃんはどこだろう?向こうに見える、あの塔にのぼればお兄ちゃんが見えるだろうか。」
妹は意を決して、東京タワーを登りはじめる。
小さな女の子がタワーをよじ登っているのだから、当然街は大騒ぎとなる。警察に報道陣、野次馬と集まって来て、、そのニュース映像でアップになった妹を見たお兄ちゃんは丸裸になって驚く。
妹は世間の大騒ぎに気付かず、タワーの鉄骨にちょこんと腰を掛け、東京の夕焼けを見つめていた。おにぎりの入った風呂敷を持って、、。
デティールに自信は無いが、おおむねこんな話しだった。東京タワーが東京の象徴であった事がこの話しからも見て取れる。
ゴジラもモスラも東京タワーを目指しているかのように出現した。「モスラ寄り添う東京タワー」と歌ったのは遠藤賢治だったな。
よし、テンションが上がって来た。

エレベーターを降りると眼下に雨に煙る街が開けた。


                          最終話 「シークレットブーツ」に続く 上田や! 05/11/3(Th)22:25

[278] タワー内部

僕が書いた中で東京タワーが登場する曲は、ざっと見渡したが、三曲もある。
「東京サンバ」「ボルネオママ」「僕の思いは目的も無く月に刺さる」だ。
どれも何らかの象徴として登場する。善くも悪くも我々の住む社会の二面性と複雑さを暗示している。

ダン、ブラウンは著書「ダヴィンチ、コード」の中でエッフェル塔を小心なナポレオンを生んだ国の男根崇拝と揶揄したが、東京タワーにそういった父権の象徴はない。確かに東京タワーも多分男性?ではあるのだろうが、その姿は、時に疲れ果てたサラリーマンの父ちゃんの様である。
東京を見下ろしているわけでも、守っているわけでも無い。既に話したが、唯ぽつねんと居る。
このためか、別に今やあっても無くても良い存在になりつつあるのかも知れない。
だが逆に言えば、これがある種我々を安心させてくれる理由でもある。放っといてくれるのだ。

例えば仙台の街では常に背中に視線を感じながら、僕は歩かなければならない。
町中を見渡せる丘の上に巨大な観音像が建っている、いや立っているからだ。そして24時間街を監視、いや失礼、見守っている。
ビル一つ、タワー一つからでもメッセージは痛烈に届く、ましてや人の顔が付いていたらお終いだ。気になってしょうがない。(笑)
もちろん、僕がそう言った事に得に神経質な人間であるのは認める。「あほかいな?」と思う人もいるだろう。
 でも僕はただそれだけで、あの美しい杜の都に住む事は出来ないだろう。ノイローゼになってしまいそうだ。なぜ仙台の人があれの建造を阻止しなかったのだろうかと。本気で不思議に思う程だ。

 そんな事を考えながら僕は駐車場側から側面の入り口を入った。
玄関というかエントランスは思ったよりは綺麗だったが、少し雨模様のせいだろうか閑散としていた。それにしても料金には驚いたぜ。エレベーターで一番上に登るだけで2600円も取られる。「ありえな~い」僕は心の中で女子高生の様に叫んだ。
まあとにかく、エレベーターに乗ろうと思って歩き始めたら『水族館はこちら』というはり紙を見つけてしまった。水族館があるのか。仕方ない、エレベーターは後回しだ。す、水族館も大好きなのだった、、、。

水族館の入り口で更に1000円取られて、僕は館内に入った。古い、昭和の、汚い、天井むき出しの、誰もいない、狭い、館内には所せましと水槽が並べられている、っていうか、要はただ狭いのだ。
しかも、水槽の大きさに対してどれも魚が異様にデカい。
きっと、ここに連れてこられた時は彼等も水槽に対して適度な体格をしていたのだろう。
でも、多分、何年もの月日を経て、成長しちゃったのだ。だって、水槽がパンパンだもの。
これじゃ、泳ぐ事も出来ないなと、気の毒に思った。

以前、中国のウルムチという街の動物園を訪ねた事がある。恐ろしい事に、、、理由は考えたくも無いが、その動物園の檻の50パーセントは、空っぽで、皮膚病で毛の抜け落ちたクマとか、足をひきずりまともに歩けなくなった猪とかを見て回った。共産主義って結局なんなのだ!と思わずにはいれなかった。

もちろん、タワーの水族館はそこまでひどい訳では無い。ウルムチの動物園と比べるのは失礼かも知れない、でもあそこを思い出したのも事実だ。

「うう、入らなければ良かった、、。でも魚の餌代になるかも知れないし。けっこう、可愛がられてるかも、、。綺麗なだけが愛では無い。」
ひとりぶつぶつ言いながら、エレベーターに向かった。
 
『不思議な散歩道はこちら』というはり紙がみえる。不思議な散歩道?散歩道が不思議?仕方ない、エレベーターは後回しだ。ふ、不思議なものも大好きなのだった、、、、。

 
                        次回 「大ちゃんドカンと丸裸」に続く 上田や! 05/10/30(Su)1:57

[277] 東京タワー

う~ん、曲が出来んの~と思いながらハンドルを握っていたら、遠くに東京タワーが見えた。
以前から東京タワーでライブをするんじゃ、と言ってスタッフを困らせているのだが。考えたら小学校一年生の時以来登った事は無いな、、と思っているうちに我慢が出来なくなった。
「下見じゃ!!」行きかたは簡単だ、タワーに向かって走れば良い。高層ビルが増えたとはいえ、意識すると結構何処からでも見える。
 
僕が東京タワーを愛している理由は複雑だ。そもそも、あのタワーの全てを僕は毛嫌いしていた。
まず何と言っても、あれはエッフェル塔のパクリだ!しかも、かなりたちの悪い、、。
エッフェル塔は元々万博博覧会の会場に建てられたもので、会場の中心に配置されている。今でも一帯は公園でその景観は街と調和していて美しい。本当によく考えられて建てられているのだ。それでも当時パリの街ではかなりの論争が起きたと聞く。フランスらしい逸話だ。
片や我が東京タワーは酷い物だ。何せ四本足の一つは増上寺の庭に足を突っ込み、坂の途中に立っている。道路と駐車場と寺に囲まれた、なんじゃそりゃ建造物なのである。しかも、せこい事に、嗚呼、本当に情けない事に、1メートルだけエッフェル塔より高くしてあるのだ!後出しジャンケンというか、1メートルだけでも高くすればエッフェル塔に勝てる!と思った建築家の発想の貧しさに暗澹たる気分になる。
大阪に住んでいた頃、あの下品なカニ道楽やグリコの大看板やづぼらやの巨大フグを毎日拝みながらも、それでもあんな恥ずかしいタワーがある街に大阪がまける事は無いだろうと本気で思ったものだ。(笑)
 
タワーは今年47才になっている。半世紀野ざらしにされ、それでも今日もしかと立っている。そう何も言わずに立っているのだ。そういう意味では以前ここで話した「太陽の塔」の対極にあるタワーだ。「太陽の塔」は今なおメッセージを放ち続けている。
でも東京タワーは何も言いたい事なんか無いのだ。そんなふうに見えた。

そんな姿を見ているうちに、僕の中に年々ある感情が大きくなる事を禁じ得ないのだ。
「けなげだ。」それでもお前はこれからもずっとそこにいるのかいと話し掛けたくなる。

 僕は駐車場に車を止めてタワーを見上げながら呟いた。「登らねばなるまい」

                    次回タワー内部に続く、って何で連載になっているのだ? 上田や! 05/10/25(Tu)1:40

[276] すまん!

今ちょっとスランプ!でも何の問題も無い!
こういった波をいつも楽しんでいるのさ!その内近況を書くぜ! 上田や! 05/10/20(Th)2:03

[275] 意味がわからん

こんなニュースを見つけた。良く意味がわからん、、?。頭がぐにゃっとしたので皆にもお裾分けだ。
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福井赤十字病院(福井市)で8月、入院中の男性患者(28)の見舞いに訪れた知人の男性に、女性看護師が誤って点滴を打つミスがあったことが、6日分かった。

同病院によると、8月3日、看護師が男性患者の個室に入り、患者の名前を確認したところ、ベッドに寝ていた知人男性が「はい、お願いします」などと答えたため、信じて点滴を打ったという。当時、男性患者は病室にいなかった。

点滴の直後に看護師が病室に戻ったところ、患者本人がいたためミスが判明し、すぐに点滴を止めた。健康に影響はなかった。

看護師らは知人男性に謝罪。知人男性は女性と2人で男性患者の見舞いに来ていた。

同病院の入院患者は、名前が記入されたリストバンドを付けているが、知人男性は手首を見せたがらなかったため、看護師はそれ以上確認しなかったという。

副院長は「リストバンドの確認を怠り申し訳ない。職員の教育を徹底したい」と謝罪した。 上田や! 05/10/7(Fr)14:39

[274] わたくし事

マネージャーの増田は野球部出身だ。熱烈なジャイアンツファンなのでタイガースについて熱く語り合う事はないが、それでもやはり野球を愛していると言う事に何も変わりは無い。
 何の話しかと言うと、僕は今年ここぞという所には見事に仕事が無かったのだ。開幕戦、甲子園のオールスター、ドラゴンズとの頂上決戦、優勝と何故かそういう日はスケ-ジュールが空いているのだ。
 2年前の優勝の時はここぞという所をだけを狙ったのでは?と勘ぐる程に開幕戦からリーグ優勝、日本シリーズとこれ又見事にスケジュールで埋めてくれた徳留マネージャー(笑)の横暴に泣き崩れた事を思い出す。
 多分、増田はそんなつもりでスケジュールを組んでいない。でも、どこかに意識が働いているのだ。

そんな事を思いながら、まだ17時なのにもうtvの前に座っているのであった。


2003年日本シリーズ第七戦のあの日、ライブが終わったばかりの上田は楽屋のソファーに座り天井を見つめながらぽつりと言った。

上田「野球、どうなったかな?、、、。しんぱいだな、、。どうなったかな?」
徳留「あ、さっき、王さんが笑顔で何かインタビューしてましたよ、」
上田「うえ~~~~~~~~~~ん。」

p、s
「優勝おめでとう」と人から言われても戸惑う。優勝するのは僕ではないからだ。(笑) 上田や! 05/9/29(Th)17:29

[273] ありがとう。

昨日は御来場ありがとう。恭一とも久しぶりにやれて俺もとっても楽しかった。歌うと公言していた「ポルノ」を、作者を目の前にして思いきり間違えたらどうしようと思ったが(笑)久々とは言え、長年の相手とは自然に音があった。原点が同じとはそう言う事なのだろう。
それが確認出来たおかげで、又お互いの道を歩いて行けるなあとも思った。

p、s
それにしても相変わらず、恭一一派は酒が強い。朝まで飲んでいたが、ELEは杉野と石川は下戸だし、奥村は泥人間になっていた。笑っちゃう程ドロドロ。しかも車で来てるし、、、。
飲んでいないwash?のDRが代わりに運転して帰ったから大丈夫でした。
i 上田や! 05/9/24(Sa)3:25

[272] ライブ!

さあ、出かけよう!会場で! 上田や! 05/9/22(Th)12:08

[271] リキッドルーム!

今リハーサルを終えて帰って来た。eleのメンバーと二ヶ月ぶりに音を合わせて御機嫌だ。
又先日は恭一との音合わせで出かけて行った。せっかくだから久々に何かやろうぜと盛り上がっていたのだが時間を間違えた。(笑)
いや笑っている場合では無いが、何とかやれたのでほっとしたよ。ネタバレになるからこれ以上は書けないが、とにかくとても楽しみにしてる。皆さんも遊びに来てやって下さい!では明日!!!!! 上田や! 05/9/21(We)2:12

[270] 取りあえず、近況!

さて御存知かとは思いますが、22日は久々に恭一とタイバン形式でライブをやります。今はそれに向けて色々と準備を始めている所です。
eleでイベントに出れるのも珍しいので遊びに来てやって下さい。
又近くになったら、あーだこーだと報告します。
上田や! 05/9/11(Su)3:02

[268] 報告

先月の七夕のライブでは会場の入り口に笹の葉を置いて、皆に短冊を飾ってもらった。
責任を持って川に流してくると言ったものの、家に持ち帰って頭を抱えた。凄い量なのだ。
絶対川には流せない。せっかくの願いが川を汚す。
思案して旧暦の7月7日に燃やす事にした。旧暦の7月7日は今年の8月11日にあたる。その日に天に帰す事にした。これなら良いだろう!
とは言え、燃やすといっても都内でたき火をしてたら、通報されるかも、、、、。

8月11日は東京は素晴らしい快晴だった。問題は残るがここしか無い。
僕は覚悟を決め家の前に短冊を積んだ、少し風がある。火を付けたら近所に壊滅的打撃を与える可能性もあった。現にさっき風にあおられ、道路に飛び散った「上田がまだ死にません様に」とか「今年こそ結婚したい」とかを追い回した所だった。
さらに思案を重ね、僕はベランダから七輪を持ち出した。以前eleでバーベキューをしようという計画が持ち上がった時に買ったものだ。網もある。
これなら良いだろう!って全然おごそかな感じがしない、、。さんまか!
でも、せっかくの皆の願いを背負いながら、放火犯になったのではしゃれにならない。僕は意を決した。
まず、写真に納め、少しずつ「百物語が百話まで出来ますように」とか「友人の病が直りますように」とかをイカのように焼いて行った。
風が少しあるので火の粉に気を使った。念がこもっているのかやけに良く燃える、恐いぜ。
そうこうしているうちに近所の子供が先程から「ねえ、なにもやしてるの?おいももやしてるの?」とうるさい。
「おいもじゃないよ~」と言いながら言葉につまった。一から説明してたら家がやけるのじゃ。
とにかく三十分以上かけて全てを天に帰し、残った灰を集めた。燃え尽きた短冊は見事白い灰になっている。
よしこの灰を大地にまいて終了だ!と思ったら灰の中から燃えつきず残った短冊が一枚出て来た。
何だろうと思いながら拾い上げた短冊には『WASH!』と書いてあった。「うっ、、、これは成就されないのか。」
ギターの奥村が飾ったものだった。黙っておこう、合掌。
         上田や! 05/8/20(Sa)0:55

[269] ちょっとちょっと!

俺のもちゃんと天に帰してよ現ちゃん!

ホントにちょっと凹むでしょ!

わははは(凹) 05/8/24(We)16:54

[267] 暑中見舞い!

暑いのう。夏が暑いのはあたり前なのだが、大都市の暑さはやはり不快だ。いわゆるヒートアイランド現象というやつだ。アスファルトやコンクリートが熱を貯えて街全体が変な熱気を帯びている。
本来なら僕は夏の陽射しを楽しみたいと思うたちの人間なのだが、、、これは僕の知る夏の暑さではない。暑いのではなく、ただ熱いのだ。
街をアスファルトやコンクリートでコーティングしたツケを我々は今払わされているのだなあ、、とここまで書いて熱いからもうシャワー浴びて寝る。
みなさんも体調には気を付けておくんなまし~!
上田や! 05/8/5(Fr)1:20

[266] ベースボールマン

「つかぬ事を聞きますけど、現さんボク、、今日ヒットって打ちましたっけ?」
ふと気付くとマネージャーの増田が横に立って話し掛けて来た。
僕はネクストバッターズサークルで素振りをしながら、相手ピッチャーの癖のあるストレートに集中して
いた。草野球の試合に来ていたのだ。ゲームはもう終盤に差し掛かっていた。
「現さん、、。」ベンチからふらふらとグラウンドに出て来て呼び掛けるのだから、何か余程の秘策の伝授だろうと思い耳を傾けた。「ボク、、今日ヒットって打ちましたっけ?」
僕は先程の増田の二塁打をベンチで見ていた。高めのストレートを逆らわず流し打って三塁線を抜いていた。
「ああ??、見てたよ。いいヒットだった。」
「そう、、です、、よね、、?@@@」
増田の発言の意図が良くわからない。
「余裕で二塁までいったもんね。」
「いった、、ですか?」
やはり、発言の意図がわからない。少し不安になって尋ねた。
「憶えてないの?」
「、、はい、、、全く、、。」
「なんだそりゃ!その後進塁して三塁コーチボックスの僕と会話したジャン!(笑)」
「、、、@@@@@@@@」
彼は何を言っているのだろう。でも即座に、あるシーンが胸をよぎった。それは1時間程前の出来事だっ
た。

初回、ピッチャーのマグミはいつもの様に四球を出しては打たれるという最悪のパターンに余念のない投球を続けていた。草野球とはいえ初回に7点のビハインドはもう致命的だった。
相手はナメ始めて大振りになって来ている。
案の定、芯で捉えた打球がカーンと乾いた音を残してレフト方向に伸びて行った。
レフトの増田が懸命にバックしているのが見える。
「ああ、長打になるな、、。」
ライトを守っていた僕は空梅雨のそらに浮いたボールを眺めていた。ボールは弧を描いて外野を超えようかという、、、その時、歴史が動いた。いや違う、増田が動いた。後方に飛んだ。
その時僕は生まれて初めて、グラウンドでボールのように跳ねる人間を見たのだ。
腹を上にしたカエルのような物体が外野でバウンドした。受け身を取らない決死のダイブだった、、、。
『死んでも菊池上等兵はラッパを離しませんでした。』
戦前なら教科書に載るような美談だ。増田はボールを握ったまま、外野の芝生で生き絶えていた。


「ええ~!いつから、記憶がないの?や、やっぱり、あのファインプレーの時からか?」
「ファインプレー?ああ、ファインプレー?、、した、、。」
だめだ。増田は何も憶えていない。あの時きっと頭を打ったのだ。記憶を失ったまま、彼はその後1時間
グラウンドに立ち続けていたのだ(泣)。無意識の中でバットを振り、無意識の中でホームを目指し
た、、。そして日本のピアノマン、いやベースボールマンになった。
何も憶えていないのにボールを投げると打ち返す男、、。
初めは事態がよくわからず、笑いながら応対していたのだが。僕はだんだん恐くなって来ていた。

ファーストを守っている漫画家の若林が耳打ちした「現ちゃん、少しヤバいですよ。」
センターを守っているマジシャンの菅原が呟いた「とりあえず寝かせた方がいいかも。」
マグミがわざわざ言いに来た「現ちゃんはいつも記憶喪失みたいなもんだもんね、かっかっか(笑)。」
上田が答えた「だから、俺の話じゃねーって、、(怒)」
マグミ以外は事態を理解して、心配し始めた。試合どころではないのかも知れない。

だが皆記憶喪失者なんか初めて会うので、どうしていいか判断に迷う。一刻を争う状況かさえわからない。
ベースボールマンは少しずつ記憶を取り戻し始めていたが、それでも結局ファインプレー後の三十分の記憶は全く欠損したままだった。ヒットの事はいくら話してあげても思い出す事が出来なかった。気丈にも本人はもう全然大丈夫ですと言うので試合はそのまま続ける事にしたが、当然一抹の不安は心に残った。

ぼろ負けの試合後(2ー9)彼が語った話しに僕はかなりの恐怖を感じた。そして本当に心配になった。 
それはこんな話だ。
「僕はあの空白の時間の中である事をずっと考えていました。それだけは憶えているのです。それは今、自分は四方フェンスに囲まれた場所にいるのだけど、どこから、どうやってここに入ったのだろう、という事 です。つまり四方が同じ風景であるということは、何処に進んでも同じであるということで。つまり方角の存在しない世界に自分が迷いこんだ不安。だから恐くなって現さんに話し掛けたのです。」

僕は何とか医者に行く事をすすめてグラウンド前のバス停から車窓に佇むベースボールマンを見送った。
”何処に進んでも同じである、フェンスに囲まれた空間”
結局我々の住む世界も似たようなものなのだろうか。ベースボールマンが見た世界はだれにもわからな
い。

p,s
その翌日増田マネージャーは病院でCTスキャン等の検査を受け、問題なしの御墨付きを得ています。脳し
んとうによる一時的な記憶喪失だそうで。一安心でした。 上田や! 05/7/24(Su)15:47

[264] 笹の葉さらさら

昨日は御来場有難う。七夕777は如何だったでしょうか。
日常品である電話、そこから流れる発信音からでも 人が集えば音楽になり、メッセージになりうる、、そう特別な事をしなくても僕達はどこにでも行ける。そんな思いを七夕の夜に込めた演出だった。
ライブが終わって、もう誰もいなくなった会場に残された笹の葉の短冊を見ていた。ライブ前は只の笹だったものが、みんなの願いやメッセージに彩られてとても綺麗に生まれ変わっている事に感動した。
「撤去するのが勿体無いな、、。」と思ったぐらいだ。
どーでもいいようなギャグから真剣な願いまで様々で、それが一つに集まって全体で何かを表現しているように感じた。
とりあえずマネージャーがきちんと車に乗せて事務所に運んでくれたが、スタッフやメンバーの間でちょっとした議論が起きていた。
「あれは川に流すんだよ」「違うよ あれは火をつけて燃やすの、天に帰すんだろ」「いや、神社とかに奉納するんじゃないの」
なるほど各地方によって全く作法が違うらしい。責任持って僕は何処か川に流してこようと思っているのだが、今どき川に流したら怒られるのだろうか。そのうち報告するよ。
さて、ライブの打ち上げでは皆ライブの細かいチェックをしていた。mcの位置の設定から、全体の流れ、演出の間、音作り、各曲のクオリティー等いくらでも話し合う事があるのだ。百物語は本当に手強い。これでよい、なんて事は永遠にこない。
音楽は脚本通りに出来ればよいというものでは全く無い。結局は出た音が素晴らしかったら勝ちだ。でも 流れとか間だとか大切にしなくてはならない事も一杯ある。上田自体が予定通りに行動出来ないという特性を持ちながら、そこにもこだわるという矛盾を孕んでいるので、議論百出になる。平田が言った「命がけなんだよ」。そう我々は命がけで「遊ぼう」と思っているのだ。(笑)
そうやって、ああだ、こうだ、と話してる所に「ロンドンで大規模なテロが起きてます」という情報が入った。我々が一所懸命音楽について考えている時に、一所懸命「人を殺す事」について考えている人がいるのだという事実に胸を痛めた。
僕がへたくそなMCで火星の青い夕日の映像から皆に伝えたかった事。
(会場に来れなかった人はhttp://www.jpl.nasa.gov/missions/mer/参照)
場所が変われば、当たり前の事さえ違ってくる。火星の夕日は青い。そこから我々が学ぶ事は赤い夕日が良いのか青い夕日のほうが良いのかということではない。
「我々の星の夕日は赤くて本当に綺麗だよ!へえ~君の星の夕日は青いんだ!それもいいね、一度見てみたいな~」と火星人相手に思えるかどうかだ。
所変わればすべてが違うという事を認める、それだけでいけるじゃん。
時々勘違いをした人がお互いが一つの共通の認識の上に立つべきであると発言したりする。青と赤の間をとってすべての夕焼けを「黄色」にしましょう運動を始めたりする。ひどい時は火星の夕日も赤くしてやろうなんて奴まで出てくる。
共通見解など嘘っぱちだ!違って当たり前なのだ。それを押し付ける人とは戦わなければならないだろう。そんな事が言いたかったのだ。
我々の赤い夕焼けの美しさを知れば知る程、又火星の青い夕焼けの美しさも理解出来るはずだと僕は思っているのだ。

さて、次は百物語は二十夜だ。色々考えて早くやれるように頑張るので、応援よろしくお願いします。では、みなさん素敵な短冊をありがとうございました。又会いましょう。

p、s
僕がリハーサルで七夕を大声で歌っているとトロンボーンの増井君が呆れた顔をして言った。
「現ちゃん、さっきから七夕さらさらって歌ってるけど、、。笹の葉さらさらじゃないの。」
ああ僕は40年以上勘違いしたまま、ずっと七夕さらさらと歌ってきていたのだった。とっても恥ずかしかったのだが、子供の僕にとって、あの短冊で美しく飾られたあの笹の葉、それ自体がもう七夕だったのだ。
七夕さらさら、軒端にゆれる~。 上田や! 05/7/8(Fr)22:57

[263] では

会場で合いましょう! 上田や! 05/7/7(Th)11:48

[262] 復活の日

bbsが復活した!!!っていうか、今気付いた、、、、。しくしく。
drx殿がライブに間に合うようにって考えてくれたんだな。本当に有難う。
又ライブやアルバムの感想はもちろん。何でも良いので聞かせて下さい。楽しみにしてます。 上田や! 05/7/6(We)18:34

[261] 明日!

いよいよ久々の百物語だ!ああワクワクする。笹ノ葉もゲットした!!!短冊も用意した!
でも雨かも、、、、、、 上田や! 05/7/6(We)16:45

[260] 七夕!

リハーサル終了!上手くいきそうだ!
楽しみにしててちょ~! 上田や! 05/7/4(Mo)23:56

[259] 新曲!

しろうとみたいな報告だが、新曲が出来た。やっと出来た。わーい!
バカじゃないかと思う程ホントにいつも時間がかかる、でもわーい!
御機嫌なんだからしょうがねーじゃん!酒のも。
  上田や! 05/6/30(Th)2:40

[258] ぶつぶつ。

今マネージャーの増田が色々考えてくれている。BBS再開までもうちょっと待ってね。

ところで今日帰宅したら小荷物が玄関先に届けられていた。不在の場合そのようにと指示していたのだが、荷物の宛名に僕の住所、氏名、電話番号、携帯番号と全て明記されていたので、少しゾッとして、この方法は今後やめようと思った。
いわゆる個人情報というやつがこれでは筒抜けだからだ。

僕が子供の頃は誰の家にもNTTの電話帳があった。タウンページの原形だ。五十音別と職業別とにわけられていて、自分の住むエリアの電話番号ならこの2冊で事足りた。
Aちゃん家の番号は何番だったっけ?とか駅前の散髪屋は今日やってたっけ?とか簡単に誰の電話番号でもわかった。もちろん自分の家の番号も住所も載っていて、なんかそこを見ると嬉しかった。
そう、当時はだれもこれを使って悪用しようとは考えていなかったのだ。
電話帳に載っているからといって、僕の家に「俺、俺!」と電話して来るやつも、不正請求の取り立てをしてくるやつも、いやがらせもなかった。
当たり前だ。これは電話帳であって五十音別不正請求先案内書でも泥棒用不在確認帳でもないからだ。

僕が不思議に思うのは、1970年代にもちゃんと泥棒や詐欺師は存在している。そんなの電話なんかよりずーっとずーっと昔からうようよいる。にもかかわらず、それ程の問題は当時電話帳からは起きていない。
そう、起きていないから皆、名前も電話番号も住所も載せていたのだ。この事は何を意味しているのだろう。

たぶん本質は簡単な事のような気がする。「はあ~?」と言われるのを覚悟で言うと、今やだれも電話帳の使い方をちゃんと知らないんだな、と言う事だ。
電話帳の使い方ぐらい知ってるわ!バカ!という答えが聞こえて来そうだが、僕はそう思っている。
 野球をちゃんと知っている人はバットで親を殴ろうとは思わない。bassをちゃんと学んでいる人は客をそれで殴ろうとは「シドビシャス」以外は思わないという事だ。ライブ中鍵盤の上で腕立て伏せをしていた上田現とかいうミュージシャンもいたが、彼は恐らくちゃんとピアノを習わなかったのだろう。

以前野球を全く知らないアフリカの人に野球用具一式を渡して、新たにゲームを考案してもらうというTV番組を観た事があるが。彼等はグラブを頭に乗せて踊っていた。面白かったのだが、考えてみれば当たり前の結果だ。野球を知らないのだから。
日本のじいちゃんばあちゃんに「カーリング」の用具一式を渡したら、賭けても良い!、掃除を始めるはずだ。漬け物を作る人もいるだろう。
昨今の犯罪の大半はそんなレベルの話しだと思っている。そんなレベルの話で人が財産を失ったり、殺されたりしている。誤解しないでくれよ。「カーリング」を知らないじーちゃんばーちゃんが人を殺す可能性について話しているのではないぞ。
恐ろしい組織的な犯罪集団が暗躍している世界ではなさそうだと言っているのだ。
電話のかけ方も知らないやつがうじゃうじゃいる結果なのだと言っているのだ。
何も1から教える必要はない。1だけ教えれば良いのだが、そこが上手く行かなかったのだなと思う。

今年個人情報保護法が可決され、この禁を破る物は厳しく罰せられる事になり、電話番号を一般に公表する事自体が犯罪の可能性さえ持つようになってしまった。もう隔世の感を禁じ得ない状況だ。
先日新聞にはこんな記事まで出ていた。
『病院で、外来患者を名前で呼ぶのをやめたり、病室から患者の名札を外したりする動きが出ている。誰がどの科を受診しているか、入院しているかどうかなどは個人情報にあたり、本人の同意なく他人に教えると4月から全面施行された個人情報保護法に抵触するためだ。』

もう訳がわからん。
「人を呼ぶ時はちゃんと名前で呼びなさい。」そんなことさえ知らない人が増えたようだ。 上田や! 05/6/25(Sa)21:53

[257] 今会えなくても、七夕に会える!

取りあえずBBS を閉鎖している。
以前から意味不明の書き込みや落書きのような文章に胸をいためる事も多かったが、ここの所ファンの方からの苦情も多く、ここを管理してくれているdrx氏の助言もあって取りあえず閉鎖と言う形をとった。
応援してくれてる皆にも一緒に考えたり、発信する場を作れたらとの思いから始めたBBSだったのだが、逆に迷惑をかけるようじゃ仕方がない。花田勝氏の言葉を借りれば(笑)「不徳の致す所」と言う事だ、済みません。
drx氏から詳細なデータが送られて来て 、それを眺めながら夜中コーヒーを片手にのけ反っていた。
99パーセントの方がここを愛し、ルールを守ってくれているのに、1パーセントの困ったちゃんの登場でこういう事態になるのだ、と今更ながらインターネットの特殊性について考えさせられた。

スタッフやメンバーから「変な書き込みがあったけどhp大丈夫?」と言われる度に、「え~今度は何よ、、?」とうろたえながらチェックしてきていたのだが。問題になる書き込みをする人はたった二人であり、ペンネームは間を置いて変更したり、そのつど変えたり、ひどい時は他人のペンネームを平気で盗用しているものまであるという事がわかった。(やめてくれ~~~)

少なくとも僕にとってこの小さなBBSは、そしてこのホームページは本当に大切な場所だ。
だって僕が責任を持って発信している双方向のメディアは、ここだけなのだから。
いやそんなことよりも、ファンサービスで始めたBBSが逆に今までどれだけ僕を勇気づけてくれた事か。自分の音楽に一喜一憂してくれる人が現実に存在するということをこのbbsが教えてくれるのだ。
七夕777に向けてここからなんとか盛り上がって行けばと祈る気持ちだった。

嗚呼でも、この僕の文章を読んで実際心をいためるのは、いままでこのhpを愛してくれた人であり、また僕の音楽に興味のある人だ。問題を起こす人には何も伝わらないだろう。
だからこの件に関してこれ以上発言しても何も解決しないし、そこまで暇じゃない。
現実的な解決法を考えて手を打つ。だから、しばらくの閉鎖を許して下さい、すみません。

p、s
え~この問題とはまったく関係なく、百物語19夜 七夕777の準備は着々と進行中だ。先日舞台監督の佐々木氏と現場を見て来た。ライブハウスだった(笑)あたりまえか、、。

とにかく新曲もやる!道しるべも帰ってくる!上田は元気!打撃好調!昨日は五打数三安打!こう御期待!!!!! 上田や! 05/6/22(We)14:57

[256] ううう~

あれ?BBSが無くなっている、、、。何があったんだ?アラシか?トラブルか?一時的なものか?
しくしく、、、drx殿、出動願います。 上田や! 05/6/21(Tu)17:16

[255] Re3238

bbsに娘が怪我をして顔に傷が残るかも知れないと言う書き込みがあった。きっと親御さんは胸が引き裂かれる思いだろう。自分の事なら耐えられても、愛する人が傷付き苦しむ事は本当につらい事だ。お見舞い申し上げます。
安易な励ましや推測は無用だろう。でも現在の整形外科の進歩は凄いですよ。外傷が見事に直った人を何人も僕は知っています。
小さなHPですが、きっと色んな人が見ています。情報(評判の医者等)が必要ならここを使って下さっても全然かまいません。好きに使って下さい。
心から健闘を祈ります。 上田や! 05/6/18(Sa)12:54

[254] 高台寺から七夕へ

高台寺ライブが終わった、みんな山の上までわざわざ有難う。(ちなみに高台寺は京都は東山にあります)
去年初めて高台寺でライブをやった時は場所というか、まあオーバーにいうと磁場のようなものに圧倒されて中々緊張が解けなかった事をよく憶えている。
今回はそういったものをどう受け止め、又どう返すかということに主眼を置いていた。
もちろん答えははじめから分かっている。長年に渡る寺や庭の蓄積を有り難く頂いて、そこから今度は開放に向かえばよい。言葉にすれば簡単だ。でもこれが難しいのじゃ!
案の定リハーサルでは少しナーバスになっていた。寺は設計上、読経が響く様に出来ている。これは逆に言うと読経以外は吸収する設計と言っても良い。
過剰な周波数はCUTするイコライザーのようなものだ。そしてある周波数帯は庭全体に拡散する。西洋の教会に於ける反響設計とは全く考え方が違う。
ピアノを置いた位置がお堂の中心になるのだが、その上の天井は音を捉えて離さぬ様な形状だ。通るのだが響かない。響かないが、外に向けてすーと抜けて行く、不思議だ。
トランペッターの平田屋は色んな方角に向けて吹きながら反響を細かく確認していた。ちょっとした角度で音が変わる、面白い。ピアノは蓋を取る事にした、反響板を使わないで音を天井にあてるためだ。音は痩せるが拡散する。

さて、ライブが始まって、ああこの感じに前回やられたな、と思った。音の跳ね返りから何か圧迫を受ける。でも数曲進むうちに、今回はそれが心地よいと思った。
いらぬ物は寺が勝手に吸ってくれる。任せてしまえば良い。
日がくれて来て闇がお堂を囲み始めるが、庭の白い砂がレフ板の役割をしていてぼんやりと光りだす。
贅沢だなと思った。そこからはもう一瞬だ、気が付いたらマネージャーの増田がピアノの影にそっと表れて「もう終わらんかい、時間じゃ」という顔をして合図を送っている。ライブ後に皆が庭を散策して帰る時間をちゃんと作りたかったのだ、それも含めてのライブだった。寺から追い出す様に返したくなかったのだ。
「もうそんなに経ったのか」「東尋坊という曲が余計だったか」
時間感覚が良くわからない。でも経験上こういう時は上手く行っている。安心してライブを締めた。

ライブの後片付けのあと、企画者から少し庭を歩きませんかと誘われた。
「いいの?」と驚いた。
「少しぐらいなら大丈夫ですよ」と言ってくれた。
メンバーを誘い誰も居ない、正に静寂の庭を歩いた。
企画者がぽつりと言った。「もう一年ここでやりませんか?三年のおつき合いは一つの流れになります。」
発言に心から嬉しいと思ったが、内心驚いてもいた。
というのも毎回僕は無理難題を企画側に持ちかけていたからだ。トランペットもパーカッションも「本当に勘弁して下さい」と言われたのに無理矢理通した。前回は川村結花に国宝の上に乗って演奏してもらった。
もう出入り禁止は時間の問題かも知れないと思っていたのだ。
嬉しくて思わず立ち止まり、周りを眺めた。
四百年何も変わらぬ庭が黙って唯そこに在った。

p、s
この勢いのまま、七夕ライブに向かいたい。平日は、集客とか時間設定とか何かと難しいのは分かっているが「この日」と決めた。
二年バラバラになっていた百物語の住人達が、又出会うにはこの日が良いのだ。お客さんももちろん物語りの住人だ。そんな願いが込められている。だからみんな来てくれ。

入り口に笹の葉を置く。何でも良い、好きな事を描いてぶら下げてくれ。俺が責任を持って何処かに流してくる。 上田や! 05/6/7(Tu)23:41

[253] 京都!

うう、まだ1000本ノック中じゃ、明日とにかく楽しみにしてちょう!、興奮して遠足の前日みたいじゃ、寝れるのか! 上田や! 05/6/4(Sa)22:58

[252] 惑星2

東京プラネッツ2が終わった。前回はプラネタリュウムという特殊な演出を中心に考え、今回は単に星空でのライブをと考えた。
どちらももちろん偽者の空なのだけれども、また違った見え方がするだろうと思ったのだ。舞台監督の案で 最期は音響の電源も切ったので、正に素の世界の演出になった、単なる暗闇で歌っている。
でも実はプラネタリューム、、「にせものの空だと知ってはいるが、、」と言う事だ。

ちなみにアンコールで映した画像は北区上空からみた昔の東京だった。コンピュータ制御になる前にプラネタリュウムで使われていた物だ。打ち合わせの時に見せてもらったのだが、都庁とかランドマークになるビルが写っていないので一見どこの町だろうと思った。不思議な感じがしたので敢えて使ったのだ。皆にはどう映ったろうか。

特殊な場所、特殊な状況なので凄く緊張したが、でもやはりライブは特別だ。恥ずかしい程オーバーな言い方だが本当に自分達は存在してると、、存在してよかったと感じる。
皆の嬉しそうな顔それどころか僕がミスってがっかりした皆の顔までぐっとくる変なオッサンになってる。
このあとも高台寺、七夕と続きますのでどうか宜しく!


p、s


ところで今回痛切に感じたの演奏はともかく、暗闇でしゃべる事の難しさだった。歌は空中に放り投げれば良い、というよりもそれがしたかった。ところが会話はそういった想定をしていなかったので、ただでさえ謎のMCにわをかけてしまった。もし言葉も空中に放り投げる事ができたらもっと伝えられたのに言葉がなかなか出てこなかった。
今日自宅で暗闇の中で喋る練習を今更してみたのだが(なにしてるんだろう俺は、、)恐いので三分でやめた。みなさんも一度やってみて下さい。頭がおかしくなりますよ~。
上田や! 05/5/26(Th)2:52